「夜市」 恒川 光太郎著:ホラーというより幻想的な御伽噺。雰囲気がすごくいいっ! [本:ホラー&ミステリー]
7.5点
「トンコ」「サンマイ崩れ」に続く、角川ホラー文庫の当たり♪
短編「夜市」と中編「風の古道」を収録。
日本ホラー小説大賞受賞作品。
何でも売っている怪しい「夜市」で、弟と野球の才能と交換してしまった主人公。
弟を取り戻すため再び「夜市」を訪れるのだが・・・。
ガラクタみたいなものや、棺桶に入った死なない屍・・・妖怪が店主をつとめ、
売っていないものは無いと言われる「夜市」。
ストーリーも面白いけど、その「夜市」の幻想的な描写に浸るのが楽しい。
神の道に踏み込んでしまった主人公が遭遇した出来事を綴った「風の古道」。
こちらも、「風の古道」のある世界の描写がとてもよく、
著者の優れた描写力により、神の道を中心に作れられた不思議な世界に読者を誘ってくれる。
そこは、コミック「蟲師 」のような、死者や異形の物達が住む、
不気味だけど、静かで不思議な世界。
世界観がしっかり構築されているのもポイントが高い。
ストーリーを楽しむだけでなく、そういった不思議な世界を楽しみたい人にお勧め!
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