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「マヤ」「アンデスミイラ」「インカ」NHK失われた文明シリーズ [本:歴史]


NHKスペシャル 失われた文明 インカ

NHKスペシャル 失われた文明 インカ

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本
7.5点
NHKスペシャル 失われた文明 アンデスミイラ

NHKスペシャル 失われた文明 アンデスミイラ

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本
8点
NHKスペシャル 失われた文明 マヤ (NHKスペシャル失われた文明)

NHKスペシャル 失われた文明 マヤ (NHKスペシャル失われた文明)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本
7点

下書きして放置してあった記事のサルベージ。

中南米の古代文明、マヤ・アステカ・インカ。昨年ジャレド・ダイアモンドの「文明崩壊」 を読んだ時、自分がこれらの文明の違いについてかなり曖昧なことに気がついた。

ということで、概略だけでも知ろうとNHK「失われた文明」シリーズのこの3冊を読んでみた。

中米に栄えたマヤ文明を扱った「マヤ」と、
南米太平洋岸アンデス山脈に栄えたインカ文明を扱った「アンデスミイラ」と「インカ」。

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3冊の中では「アンデスミイラ」が一番面白かった。

最初に、未だほとんど解明されていない「オルメカ文明」の話が載っていて、
まず、それに興味を惹かれた。

「アステカ」や「マヤ」の母体ともなった文明らしく、頭部をかたどった巨石が有名。
紀元前1250年頃にメソアメリカで栄えたとされるこの文明で使われているモチーフが面白い。
インド風であったり、中華風であったり(漢字に似た文字もあるという)、アフリカ風であったり。
太古の文明なのに、洗練されたデザインと現実的な文化だったらしいことが伺われるらしい。
が、ほとんど解明されていない謎の文化なのだという。

この文明の詳細がもっと明らかになるといいのにと思ってしまった。

そして、この本のメインテーマは「ミイラ」。
ミイラというとエジプトが有名だけど、ミイラ文化といえばアンデスなのだそうだ。

アンデス地方では、先祖をミイラにして、埋葬はせず一緒に暮らしていたという。
今でも、その文化が残り、毎日ミイラに話しかけたり、いろいろ相談している村があるそうだが、
ほとんどは、この習慣を気味悪がった当時の侵略者スペイン人によって焼き払われてしまったという。

昔、アンデス地方では、ミイラは家の中に一緒に住み、毎日着替えさせて貰い、
食事を用意し、ミイラになった故人に会うために訪れる人も多かったらしい。
死んでからも生きているように扱われたミイラ。

インカ帝国の皇帝などは、死んでミイラとなってからも家来や神殿を持っていた為、
年が経つほど、皇帝の数が増えるという状態になっていたという。

またミイラの副葬品やミイラ自体を調べることによって解明された様々な事も乗っている。
ミイラのDNAを調べることにより食べていたもの、出身地などもわかるという。

他に興味深かったのは、アンデス先住民が纏足ならぬ、頭の形を無理矢理に矯正していたことが、
発見された頭蓋骨によってわかっているという。
変形したその頭蓋骨の写真が載っているが、かなり異様である。

南米でのミイラ思想の広まり、ミイラの扱われ方、ミイラの研究から判明した事など、
ミイラに関して盛りだくさんの本。
興味深い内容が多くて、楽しんで読めました(^^)。

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「インカ」は、マチュピチュ遺跡についてと、インカ文明の特色についてが述べられている。

インカ帝国は、13世紀頃成立し、最盛期にはコロンビア南部やエクアドル、チリ中部まで
南北4000キロに及ぶ広い領域と、80の民族一千万人を統治したと言われている。

金属加工、灌漑、織物などの優れた技術を持ち(麻酔を使った脳外科手術もしていたとか)、
カミソリの刃が入る隙間もない石組みが有名。
各都市は、整備された道路でつながり、異文化を容認したこともあり、
また支配下の様々な文化の交流を促したという。

そんなインカ帝国の特色、滅亡の理由、当時の人々の生活、そして現代に残る文明の名残などが、
数多くのカラー写真と共に紹介されている。
インカ帝国について、概略を知りたいならお勧めの一冊。

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「マヤ」は、ピラミッド状の遺跡訪問をカラー写真入りで紹介している前半は、
ガイドブックや紀行っぽい感じ。

中盤は、ティカルの遺跡を中心に、マヤ文明のピラミッドの作り方(運びやすいサイズの石、土、
そして不燃ごみでできているらしい)、水の利用の知恵、生贄の風習、農業など、
マヤ文明がどんなものだったのかが、述べられている。

遺跡の紹介(訪問記)などが多いので、マヤ文明についてもう少し詳しく知りたいという気持ちが残った。

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3冊ともカラー写真が豊富で、厚くなく読みやすいので、
中南米の文化に関しての入門書としてはいい本だと思う(^^)。

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rudies

恩田陸さんの紀行文も載っているんですね。

おもしろそうです。

テレビの方は観ていないから、
本を読んでみよう。(^_^)b

図書館にあったら、良いなあ。
by rudies (2010-03-20 18:37) 

choko

rudiesさん

中南米文化にちょっと触れるにはいい本だと思います(^^)。
ほんと、図書館にあるといいですね。
カラー写真が多いと、薄い本でも高くなりがちだし。
この3冊も高い(^_^;)。

「奇界遺産」、図書館に入ったので予約中です♪
1冊しか入っていない上、
予約した時には、既に何人か予約が入っていたので、
読めるのはもう少し後になりそうですが楽しみです(^^)。
by choko (2010-03-20 18:47) 

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