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「長い腕」川崎草志著:ゲーム業界ネタ満載なのに、日本的な怪奇色も併せ持つミステリー [本:ホラー&ミステリー]


長い腕 (角川文庫)

長い腕 (角川文庫)

  • 作者: 川崎 草志
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 文庫

7点

イカれた男が電車の中でカップルを刺殺し、女子中学生が、同級生を猟銃で撃ち殺す、
空港では、アイドルを見ようと集まった少女達が将棋倒しになり多数の死者が・・・。
そして、あるゲーム会社で起きた無理心中。
その会社に勤める主人公は、加害者の机を見て違和感を感じる。
その事件を調べ始めた主人公は、会社で起きた心中事件と、
女子中学生の事件との奇妙な関わりを発見する。
また、女子中学生の事件は、その閉鎖性が嫌で飛び出した自分の故郷で起きていた。
数々の事件には何かつながりがあるのか??

横溝正史ミステリー大賞受賞作品。

著者がゲーム会社勤務経験ありなためもあってか、前半はゲーム制作現場・状況が詳細に語られている。
私は長すぎるなーと感じたけど、あまり知らない業界話として、
その部分を楽しんで読んでいる人も多いようなので、どう感じるかは人それぞれかも。

現代的な猟奇ミステリーの前半と比べ、故郷に戻ってからは、
閉鎖的な農村を舞台にした昭和初期の雰囲気を持つミステリーとなっている。
ストーカー、カルト教団など現代的な要素と、
過去村に起きたと言われる惨劇、都市伝説などが上手く絡まってストーリーを構築しているのがいい。
本格的ミステリーとは違うし、ちょっと簡単に事が運びすぎるなと思える部分もあったけど、
なかなか読ませる話になっていて、面白く読めた。

さて、この本、何が一番びっくりしたかというと、著者が知ってる人だったこと。
読んでて、あれ?と思う事があって調べたら、そうだった。
彼が「横溝正史ミステリー大賞」を受賞したことは、当時、共通の知人から教えて貰ったんだけど、
「賞品豪華~w(゚o゚)w!!こんなに貰えるんだ~」ってところばかりに注目してて、
本のタイトルも、ペンネームも覚えてませんでした~(^^;)。
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ufavan

うーん^^;またもや面白そう!いつも読む本はどうやって見付けてるんですか?
それに、お知り合いに作家さんが!?
凄いです><
by ufavan (2010-03-21 08:06) 

choko

ufavanさん

読む本は、ネットで書評を読んだり、
本屋さんや図書館見かけたものがメインかな?
後気になった本、気に入った本をamazonで見ると、
その本の読者が他にどんな本を読んでいるかのリストが
でると思うのですが、それも参考になります(^^)。

いやー、知り合いというより「知ってる人」「知ってた人」
って感じです。
もう音信不通で、今何やっているかも知らないですし(^^;)。
でも、「賞をとった作品ってこれだったのかー」って感じで
気がついた時は、びっくりしました(笑)。
by choko (2010-03-21 13:36) 

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