「Self-Reference ENGINE」円城 塔著:とにかく凄いとしか言えない、センス・オブ・ワンダーに溢れた傑作!! [本:SF]
Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 円城 塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
9.5点
「自転車に乗って」のちょびさんにお勧めして頂いたSF。
この本を教えて頂いて大感謝です!!
出会えて嬉しかったし、読んでて楽しかったO(≧▽≦)O!!
もうもう絶賛!!!大絶賛!!
「虐殺器官」を読んだ時も思ったけど、
まだまだ日本のSFも捨てたもんじゃないよ~!!!
って叫びたくなった一冊。
20個もの短い話で構成され、それがバラバラでありながらも、
一つの世界観を形成し、長編ストーリーともなっている作品。
時間軸が消失し、多次元宇宙となった世界で、人が作り出した神のような存在巨大知的生命体が、
自分たちの宇宙の生存をかけ演算を繰り返す。
撃墜された瞬間、過去を書き換え、再び戦闘を繰り返す戦闘機の終りの見えない戦いが繰り返され、
ねじれた時間軸を、多次元化した宇宙を元に戻そうと、互いに攻撃しあう宇宙。
そんな世界では、多数の数学者が突然同時に同じ定理を見つけ出し、
床下から「フロイト自身」が22体も発見され、旧日本諸島では髷を結った力士による襲撃の噂が語られ、
机やドア、様々な物体が勝手に出現する村では、それに飲み込まれないよう毎日破壊活動が続けられ、
ある男の元には、フリルのついた靴下の捜査官がやってくる。
アルファ・ケンタウリ星人がテレビを通して人類に語りかけ、
自然現象が躁鬱を示す・・・・。
作中で展開される豊かなセンス・オブ・ワンダーの世界、紡がれる言葉の心地よさ、
語られる論理や比喩の面白さ・・・「言葉で表現する」という小説としての魅力にも、
SFとしての魅力にも溢れています。
虚無を見つめるような暗い話や、自己の存在について語るような難解な話があると思えば、
思わず「ニヤ」っとか、「クス」っとかしてしまう話も。
それらが、1つの世界を成していることすらすごいし、全体から漂う、優しさと切なさがまたいい。
SFティストな話が好きなら、タイトルのとっつきにくさとかに捕われず是非読んで欲しい一冊!!
難解な部分もあるけど、そのわからなさすら心地よい、そんな本です(^^)。
最近のお気に入りSF作品「虐殺器官」「ハーモニー」「Self-Reference ENGINE」の三冊、
どれも図書館で借りたけど、この本だけは自分でも買いました。
「虐殺器官」と「ハーモニー」は重い話なので、また読みたいと思う事があるとしても、
それは何年も後のことだろうけど、この本は、童話が詰まった絵本を読むように、
ぱらっと本を開いて、その時開かれたページを読む、そんな読み方がしたい本。
そして、お笑いの演算を探そうとしている巨大知的生命体や、
自分を機械に移してしまった科学者・・・この世界に生きるモノたちに何度でも会いたい(^^)。
9.5点とは高得点ですね♪
俄然 期待高まります^^ 面白そうです!!!
とは言え まだ虐殺器官 未読・・・。
先に↑こっちを読まなきゃねーー;
by ufavan (2010-05-15 09:18)
ufavanさん
これ、すごく面白かったです(^^)!!
いろいろなエピソードを重ねて1つの世界を作るって話は
好きなので、より高得点でした♪
これを読んだ人ってとにかく「みんなに読んで欲しい!」
って思うみたいです。
私も、その中の一人(笑)。
是非是非機会があったら読んでみて下さい♪
by choko (2010-05-15 13:09)
気になる〜気になる〜。
気になるから、検索してみたら
図書館に無かったです。(T_T)
文庫本は基本、置かれないみたいでえ。
ふる〜〜〜いいハヤカワ文庫が
あるだけです。なんて、図書館だっ!
久々に本、買おうかなあ。
9.5点ですもんねえ。
損なし!?ですよねえ。(*^^)v
by rudies (2010-05-15 18:53)
rudiesさん
文庫なので、1000円未満(714円)で買えますし、
ここは買うしかっ(^^)!!
いろんな話がつまっているので、
きっと気に入る話が見つかると思いますよ~♪
私は、アルファ・ケンタウリ星人とのファーストコンタクトの話が
すごく好きです♪
「懸絶した知性は、途方もない馬鹿にも見える」って作中の
フレーズが、納得できるお話でした(笑)。
by choko (2010-05-15 20:19)
もしかして、chokoさんの今までの最高点でしょうか?
ならば、自分も興味津々です!
20個もの短編で作り上げていながらも、それが1つの世界観へと繋がっていくのはすごいですね。
これは、是非、購入して読みたいと思います。
by スパ (2010-05-16 03:55)
スパさん
はい、最高得点だと思います(^^)。
最初は、脈絡なく不条理な話が続くのかな??と
思ったりするのですが、どんどんつながりが見えてくるw(゚o゚)w!
って感じです(^^)。
芥川賞候補にもなった作品ですし、日頃SFを読まない人にも
(スパさんは読まれるのかな?)読んで欲しい作品です♪
by choko (2010-05-16 13:05)
おおお、絶賛!満足して頂けてすすめた私も嬉しいです。
この本には翻弄されちゃった感があって、まだ自分のブログにアップしてないんで・・・ちょこさんの文章にはいつも感心して読んでます。
そうそう、「ハーモニー」は読了しました。素晴しかった!読了したら、ちょっと泣きそうになってしまいました。
by ちょび (2010-05-18 14:42)
ちょびさん
いやー、これは紹介してもらわなければ絶対手を出さなかったと
思うので、ほんと感謝感謝ですO(*^▽^*)o~♪
「ハーモニー」もいいですよね~!!
特にこれを書いた時の著者の事を想像すると、
悲しさや切なさも倍増な気がします。
死期を間近に迎えて、天国のようなアンチユートピアを、
著者はどんな気持ちで書いたのだろう・・・なんて事も
思ってしまいました。
by choko (2010-05-18 16:37)