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「数えずの井戸」京極夏彦著:番町皿屋敷の新解釈・・よくできてる [本:ホラー&ミステリー]


数えずの井戸

数えずの井戸

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/01/25
  • メディア: 単行本

7点

初京極夏彦!
何冊か持ってはいるんだけど(^^;)、読まないままで今まできました。
何でだろ??

有名な怪談「番町皿屋敷」を新しい解釈で描いた作品。
短い章に分かれており、「昔数え」「誉数え」「数えずの縁」・・・など、
サブタイトルに「数え」がついている。

前半は、各章、主要な登場人物6人の独白で構成されており、
どれもが「数える」という事に絡めてある。
いつも何か欠けていると感じる青山主膳、満ちてはいけないと感じている菊、
欲しい物は必ず手に入れる大久保吉羅・・・・。

かなり癖がある個性の持ち主である主要登場人物の気質・考え方がしっかりと描かれている。
また、その設定に沿った個性的な思考パターン・行動をとる登場人物たちに対して、
最初の独白での描写が上手いので、違和感なく受け入れる事ができる。

一人一人の個性ががブロックのようにきっちり定まり、それがキレイに積み上がり、
後半、その個性が干渉しあい、絡まり合って、一つの物語を成していく・・・
その手腕は見事!!と感心。

しかし、あまりにキレイにまとまり過ぎている感も。
登場人物達が、設定された気質・個性故辿る運命をただ進んでいっているような・・・
そんな感じを受けてしまった。

計算され練られた設定と展開にはすごく感心する。
登場人物達が心の奥底に持つ暗い部分や虚無感も伝わってきたし、それは私の心をひっかいた。
でも、ガツーンと来るものが無く終わってしまった感が・・・。

初京極夏彦は微妙でした。

京極夏彦は「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「どすこい(仮)」・・・他にも何冊か持ってるので
これをきっかけに、もうちょっと読んでみようと思います。
「姑獲鳥の夏」なんて1994年頃、京極夏彦がデビューして話題になった時点で買ってるんですよね・・・
何年本棚で眠ってるんだ(゚_゚i)。
「どすこい(仮)」も、ハードカバーで買ってるし・・・。
手に入れたらそれだけで満足・・・という自分をやめなければ・・・。
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コメント 4

ufavan

京極さんはもう 大御所の域ですよね
「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」は読みました^^

↑のは 映像の方を先に見たので
大筋を理解しながら 読めて助かった・・・

結構 難解でボク後半は付いて行けなかったかもです^^;

今回の「数えずの井戸」も 面白そうです♪
今度探してみよぉ~っと^^



by ufavan (2010-08-20 07:58) 

choko

ufavanさん

京極夏彦って、デビューの頃から、大御所っぽい雰囲気が
あった気がします(笑)。

「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」は読んでいるんですね。
私も、頑張って読まないと。
「数えずの井戸」は分厚かったけど、この2冊もそれなりに
厚みがありますよね~(^^;)。
図書館で借りると頑張って読むけど、
買っちゃうと、あまりの厚さについつい放置しがちなのが
読まなかった理由かも。

「数えずの井戸」、読んだら感想聞かせて下さいね(^-^)ノ。
by choko (2010-08-20 12:06) 

ちょび

京極夏彦は、「どすこい(仮)」「巷説百物語」「嗤う伊右衛門」は読了してます。主流じゃない作品ばっかりです。「嗤う伊右衛門」は四谷怪談のアレンジですが、「そうきたか!」と面白く読んだ記憶があります。

「魍魎の匣」は3回くらいチャレンジして挫折してます・・・電車移動中読書なので厚いのは厳しいんですよ~

>しかし、あまりにキレイにまとまり過ぎている感も。
>登場人物達が、設定された気質・個性故辿る運命をただ進んでいっているような・・・

たしかにそういう印象がありますね~お芝居的というのかな。でも、うまいから、まぁいいか、とも思います。
by ちょび (2010-08-23 11:31) 

choko

ちょびさん

京極本はやっぱり厚さが敵ですかね~(^^;)。
私も読もうと思いつつ、いまだ本棚に並んでます(爆)。

>お芝居的というのかな。でも、うまいから、まぁいいか
そうなんですよ。
気になる部分はあるけど、うまさで許せちゃうというか。
これはこれですごいですよね~!

by choko (2010-08-23 13:16) 

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