「玩具修理者」小林泰三著：それなりには面白いが・・・

玩具修理者

• 作者: 小林 泰三
• 出版社/メーカー: 角川書店
• 発売日: 1996/04
• メディア: 単行本

7点

小林泰三の本の中で、タイトルと表紙（文庫版玩具修理者 (角川ホラー文庫)の方）のインパクトが一番強かった本。

絶対本棚のどこかにあると思って探したけど見つからず、
探すのが面倒になり、危うく買っちゃうところでした。
本棚にありそうなのに、読みたい気持ちが高まると、買ったりするから、
同じ本が2冊あったりもするんですよね(--;)。
幸いな事に、行った書店で見つからず（あったら買ってた）、図書館にはあったので、図書館でゲット！

表題作の短編「玩具修理者」と中編の「酔歩する男」が収められています。

「玩具修理者」は、壊れた物を何でも直してしまう怪しい人物の話。
クトゥルフの要素が入っていて、クトゥルフを読んでいる人なら、ニヤリとしちゃいそう。
怖いというより、スプラッタ摩訶不思議物。
小林泰三の話は、物語の辻褄合わせとかは置いておいて、
読んでいてニヤリとできるこういう話が好き♪

「酔歩する男」は、タイムトラベラー物で、ＳＦティストのホラー。
脳をいじることにより、時間の概念がおかしくなってしまった男の味わった恐怖を描いたものだけど、
ＳＦとしてもホラーとしても中途半端。
時間が連続したものではないという捉え方は、SFではよくあることなので、
アイディアのインパクトが弱い。
中途半端にＳＦ的説明にページを裂いている為と、男の他人に語るという形式で話が進められる為、
男の感じる恐怖もそれほど伝わって来ない。
読んだタイミングもすごく悪かった気が。
イアン・ワトスンのタイムパラドックス物の傑作「超低速時間移行機」（アンティシペイション (サンリオSF文庫)に収録）を読んだ直後だったので、
「酔歩する男」で使われているアイディアがより陳腐に思えてしまって(-_-;)。

この作品だけじゃなく、小林泰三のSFティストが強い作品は、どれも中途半端さを感じてしまう。

小林泰三のホラーは、「玩具修理者」のように漫画的と思えるものの方が好きだなー。

コメント 8

あい＾＾　慨読でございますΦωΦ
ネットで調べて　評価が高かったので読んでみた1冊なのです
ドロッとしてるけど　暗すぎない雰囲気が結構好きでした。
人獣細工もおススメですニャ＾＾

by ufavan (2010-09-02 08:16) 

小林泰三はオットがけっこう持ってます。

でも、私は一冊も読んでない。玩具修理者はＭＥＩＭＵのコミックは読んでるんですが。
by ちょび (2010-09-02 11:44) 

ufavanさん

これ確かに評価が高いですよね～！
特に「酔歩する男」。
SFをあまり読まないホラーメイン読者だと、
アイディアが斬新に感じるのでしょうかね(^^;)。

「玩具修理者」はufavanさんと同じく、
雰囲気が好きです♪

お勧めは「人獣細工」ですね・・・φ(. .)ﾒﾓﾒﾓ。
by choko (2010-09-02 12:59) 

ちょびさん

おお、ご主人読んでますか!!
ご主人、ホラーはあまり読まないかと思っていたので意外です。
SFチックなホラーが多いから読むのかな？
それとも、ホラーもいろいろ読むとか？
M君も、以前小林泰三を褒めてた気がするのですが・・・
かなりうろ覚え(^^;)。
by choko (2010-09-02 13:01) 

> おお、ご主人読んでますか!!
> ご主人、ホラーはあまり読まないかと思っていたので意外です。

ホラーらしいホラーは積極的に手にしないですが、
クトゥルーが大好きですから。

だから小林泰三はアリみたいです。
でも最近の新刊は（ＳＦっぽいのかな？）ＮＧだしてました。

by ちょび (2010-09-03 14:41) 

今、chokoさんが勧められていた
「家に棲むもの」読んでいます。(^_^)b

酔歩する男は、途中で飽きちゃって
完読せずに返却しました。(^_^;)

玩具修理者は頭の中で
映像が創れて楽しかったです。
映画化になっているようですが
どうなんでしょうねえ。
by rudies (2010-09-03 16:40) 

ちょびさん

なるほど、クトゥルフ絡みで読んでるんですね。
すっごく納得！

小林泰三の新刊は、読んでませんが、
評判はイマイチですよね。
小林泰三、まだ読んでないのがいろいろあるので、
新刊じゃなく、古いのからあさって見ようと思ってます(^^)。
by choko (2010-09-03 17:47) 

rudiesさん

>頭の中で映像が創れて
あっ、すっごくこれわかります！！
そうそう、漫画を読んでるような描写で、読んでて楽しいですよね♪

「家に棲むもの」は、かなりバラエティに飛んだ内容なので、
きっとお気に入りの作品があると思います♪
「肉」は頭の中で映像を展開できそうなタイプで、
私は好きなのですが、ｒｕｄｉｅｓさんの好みでもあるかも♪
by choko (2010-09-03 17:50)