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「庭師(ブラック・ガーデナー)」 高瀬 美恵著:サイコホラーかと思ったら・・・・ [本:ホラー&ミステリー]


庭師(ブラック・ガーデナー) (祥伝社文庫)

庭師(ブラック・ガーデナー) (祥伝社文庫)

  • 作者: 高瀬 美恵
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 文庫
6点

「エクセシオ三山303号室」。
フリーライターの寺内さやかは、彼と別れた喪失感を埋めるように、マンションの一部屋を購入し入居。
同時に、「ブラック・ガーデン」というサイトに、
「新しいお花がやってきました。とってもシャイで寂しがり屋の女の子(もうすぐ30歳だけど。ぷぷぷ)。
独身で彼氏と別れたばっかり」という記述がアップされた。
そのマンションの住民達は、花の名前を付けられ、その私生活が、
万引き癖や、浮気、そして日常の些細な行動まで、そのサイトにアップされていたのだ。
最初は穏やかに見えたマンション生活は、異臭騒動、住民のペットの惨殺・・・と次々に事件が起こり、
住民達の間には、疑心暗鬼の気持ちが蔓延しだす。
住人を監視しているのは誰なのか?
そして、「エクセシオ三山」の住民達は・・・・。

穏やかそうに見えた老婦人が、ペットの事になると人が変わる、
冷静な大学生と思えた男が、自己中心的な狂気に蝕まれていた、
隣の部屋に住む親子は、異臭騒動から被害妄想が激しくなり異常な行動を取り出す、
表面的に見える顔と裏の顔、そして些細な事件から広がる狂気、
そして茶化すようにマンションの住人の私生活をアップするブラック・ガーデナー。

前半、些細な事件が、ドミノ倒しのように次々と新しい事件を引き起こし、
またそれにより、最初は見えなかった住人たちの狂気が明らかになっていくあたりは、
テンポもよくかなり面白く読めた。

このまま、どろどろとしたサイコホラーとして進んでいけば良かったのに、
オカルトホラーだったんですね~(-_-;)。
前半、人間の狂気的な部分が面白かっただけに、もったいないというか残念というか。

オカルトとしては、あっさりしていて普通という感じ。

読みやすいし、テンポよく最後までサクサクと読めるので、
オカルトホラーが好きな人なら読んでもいいかも。
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コメント 2

ufavan

ボクもご説明を読んでいて 今の都会にありがちな
隣人の恐怖な感じを想像してましたが・・・

オカルトとは@@;
その 急展開を見てみたい気もします^^
by ufavan (2010-09-06 09:50) 

choko

ufavanさん

粗筋だけ読むと、サイコホラーだと思いますよね~!

途中でオカルトの要素が突然出てきた時は、
びっくりしました(^^;)あらららら~って感じで。

機会がありましたら、その急展開を読んでみて下さい(笑)。
by choko (2010-09-06 11:51) 

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