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「ミミズからの伝言」田中啓文著:・・・・グログロスプラッタ駄洒落ホラー [本:ホラー&ミステリー]


ミミズからの伝言 (角川ホラー文庫)

ミミズからの伝言 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 田中 啓文
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/09/25
  • メディア: 文庫
5.5点

角川ホラー文庫ではシリアス物しか出していなかった田中啓文の、駄洒落ホラー集とも言える一冊。

「ミミズからの伝言」
「見るなの本」
「兎肉」
「秋子とアキヒコ」
「牡蠣食う客」
「赤ちゃんはまだ?」
「糞臭の村」

の7編が収録。

「ミミズからの伝言」は、人の体内でミミズが大量に増殖して内蔵を食い破ったり、
人を襲ったり、ミミズミミズの作品。
先日記事にしたミミズの踊り食い映画「ミミズバーガー」を見ていると、
ビジュアル的によりリアルに思い描けて、楽しめると思う作品。
グロ炸裂!グログロホラーです。

「見るなの本」は、いじめネタ+学校の怪談もの。
いじめネタがかなり陰湿(田中啓文は嫌な人間とか陰湿な行為を書かせるとすごく上手い)。
でもホラーとしてはそんなに怖くない。

「兎肉」は、仏教の自己犠牲もので、有名な話なだけに、オチがある程度見えてしまう上、
その先の話もドタバタで終わってしまってイマイチ。

「秋子とアキヒコ」は、自分が好きになる相手が次々に惨殺される少女の話。
スプラッタ描写は少しあるが、オチのインパクトが弱い。

「牡蠣食う客」は、遠い惑星で、見た目は純和食、
しかし食材はおぞましい姿のその惑星の物が使われている食事を振舞われた男の話。
グログロスプラッタの調理シーンと、鳥肌モノの食事シーンが楽しめた作品。
割と好きです。

「赤ちゃんはまだ?」は、もしかしたら、好きな人は大絶賛なのかな?
著者がこの作品を読みなおして、
この原稿を渡した先から次の仕事の依頼が来なかったのがわかる、
とまで思った、超駄洒落脱力系ホラー。
私は、ラストに呆然・・・あまりのしょうもなさに、立って読んでたら崩れ落ちてたよ・・。

「糞臭の村」は、田中啓文がシリアスで書いてる「禍記(マガツフミ)」や「蝿の王」などにも見られる
古代神ネタを糞尿エログロ駄洒落で彩った作品。
糞尿の臭いが漂ってきそうなホラー。

あとがきにもあったけど、7作品中6作品が駄洒落がらみ。
駄洒落はあまり好きじゃないので、評価低め。

駄洒落キワモノとんでも脱力エログロスプラッタ系ホラーを読みたい人にならお勧め。
読む人をものすんごく選ぶと思う。
田中啓文の「蹴りたい田中」とか、駄洒落系が好きな人には、すごくいいのかもしれないけど。
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コメント 2

コステロ

田中啓文は『三人のゴーストハンター』
(我孫子武丸、牧野修との共著)を読んだことがあるのですが
ここでも「糞尿エログロ駄洒落」炸裂で
私もやはり、非常な脱力感を覚えた気が…(笑

「嫌い」とまでは行かないまでも
カネを出して読みたいとは絶ッッッ対に思いませんね(笑
by コステロ (2010-10-03 10:44) 

choko

コステロさん

田中啓文は、共書でも、同じようなことやってるんですね~(笑)。
いや~、7作中6作が駄洒落ですが、表題作で
一番最初の「ミミズからの伝言」だけは駄洒落じゃなく、
グログロなんですよ(ミミズバーガーの小説版みたいな)。
それに騙されました~(^^;)。
私も、駄洒落系だとわかっていたら、買わなかったのに・・
・・・・買っちゃいました_| ̄|○。
by choko (2010-10-03 12:16) 

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