SSブログ

「図説 妖怪画の系譜」妖怪画から現代の漫画へ・「手にとるように民俗学がわかる本」岸祐二著 [本:歴史]


図説 妖怪画の系譜 (ふくろうの本/日本の文化)

図説 妖怪画の系譜 (ふくろうの本/日本の文化)

  • 作者: 兵庫県立歴史博物館
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2009/04/22
  • メディア: 単行本
7点


手にとるように民俗学がわかる本―日本の不思議を楽しもう! (手にとるようにわかるシリーズ)

手にとるように民俗学がわかる本―日本の不思議を楽しもう! (手にとるようにわかるシリーズ)

  • 作者: 岸 祐二
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本

7点

「百鬼夜行絵巻」などから始まる、妖怪の愛玩化。
妖怪は、怖いだけでなく、ユーモラスな存在であり、社会風刺の中でもいろいろ活躍している。
妖怪画から大衆文化を捉えるだけでなく、妖怪画の現代の漫画への影響や、
昭和の水木しげるによる妖怪ブームなどにまで言及した本。

噴出しの元になった絵とか、今に通じるようなコミカルな表現・表情の浮世絵が紹介されていたりと、
「日本独自の漫画文化」の流れがわかるようで興味深いものが多い。

室町、江戸時代の妖怪画を見るのも、画家による作風の違いを比較するのも楽しい。
貸本の話や、最近の妖怪マンガの紹介があり、諸星大二郎の短編漫画も載っている。

「ゲゲゲの鬼太郎」の元「墓場鬼太郎」は、紙芝居の「墓場奇太郎」。
その「墓場奇太郎」は有名な怪談「飴屋の幽霊」が原点であるとか知らなかった。
「墓場鬼太郎」が、諸事情から水木しげる以外にも描いてる漫画家がいるなども、知らなかったし。

少し前テレビでも放送されたけど「墓場鬼太郎」に出てくる「鬼太郎」は、
人を地獄に落としたりする、性格の歪んだ奴だ(「墓場鬼太郎」のアニメは面白かった)。
それが、「ヒーロー化」していく過程なども、面白く読めた。

いろいろ盛りだくさんで、なかなか楽しめた一冊。
妖怪画の歴史をざっと追うには最適。

--------------------------------------------------------------

「手にとるように民俗学がわかる本」は、日本の民間信仰、妖怪話、桃太郎などの昔話、
七福神、招き猫・・・・etc、様々なことの由来や時代による変化などを、いろいろな説をあげながら、
シンプルにわかりやすくまとめた本。

今、日本で信仰されている毘沙門天、夷、福禄寿・・・などの七福神。
夷を除くと、外来の神で、元になった神とはかなり性格を異にしていることなどが、
わかりやすく解説してあったりする。

また「口裂け女」などを例にあげ、民間伝承と現代の都市伝説の共通点などが述べてあったり、
狐、蛇、猫などに対する日本人の持つイメージなどもあげてある。

右ページに解説、左ページに図や絵を用いたシンプルなまとめ、
という構成なので、かなりサクサク読める。

「鯛は何故縁起がよいのか」「子守唄の謎」「便所と便所神」など、
民俗学雑学本という感じで、面白く読めた。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。