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「世界の民族地図」高崎 通浩著:歴史上の民族移動と今の世界とのつながりから見えてくるものは!面白い!! [本:歴史]


世界の民族地図

世界の民族地図

  • 作者: 高崎 通浩
  • 出版社/メーカー: 作品社
  • 発売日: 1997/12
  • メディア: 単行本

8点

「世界の民族地図」というと、現在の民族地図を思い浮かべるけど、
本書の場合、紀元前までさかのぼり、現在に至る民族の移動、定住、
侵略、民族や文化の融合、宗教的影響・・・・民族という視点から、世界の歴史、
そして、現在の民族紛争の原因や現状を考察しており、大変興味深く面白い内容になっている。

こうやって民族の歴史を眺めていくと、日本というのは、特殊だなとも思う。
多くの場所では、他民族により侵略を受けたり、侵略したり、
その中で、民族や文化が融合し、新しい文化へと変貌している中、
文化の影響はあっても、侵略されるという経験をほとんどしないまま発展した国なんだということが、
改めて認識できた。

そういえば、フランスはラテン系。
ゲルマン系とは別だと思ってたんだけど、ゲルマン民族が侵攻した地で、
文化的にラテン語系の言葉を使うようになったんですね(^^;)。

元々、ヨーロッパはケルト民族が広がっていたけど、ほとんどが駆逐され、
イギリスなど一部にしか残っていないとか、フランスのノルマンディーは、
バイキング達が入植した地域で、のちに文化がラテン化した場所だとか、
ヨーロッパの歴史でもいろいろ目新しい事が多かった。

最近では否定されている説も展開されているけど、ヨーロッパだけではなく、スラブ、アジア、
アフリカ、インドなど、世界各国の民族の移動とその影響が語られている。

結局、人類の歴史や文化は、侵略と切っても切れない仲なんだなーとも思う。
最初に入植した民族が住んでるところは少なく、他民族による侵略が行われている事が多いし、
他地域を侵略した民族の中には、元々住んでいた場所が侵略されて、別の地域に・・という例も多い。

現在、民族紛争が世界各地で起きている。
国という概念の中に、民族という概念が入ってきた時、
多民族国家の場合、軋轢が生じやすい事や、内乱、独立運動になりやすいのが、
この本を読むとよくわかる。

民族、宗教、言語などに関する情報が、教科書的にギーっしり詰まっているので読みづらいけど、
興味深い内容が多く、すごく面白かった一冊!

図書館に返したあと、自分で欲しくて、絶版だったのでネットでわざわざ古本を購入しちゃいました。
学生の頃勉強したヨーロッパ史などは、知識の穴埋めができてよかったけど、
詳しくないスラブ史などの話は、あまりちゃんと理解できず、またあとで読み直したいと思ったから。
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rudies

ホントに色んな本が有るんだなあと。

この本、気になります。知らなかったあ。

chokoさんには教えて貰う事が多いです。f(^ー^;

図書館のサイトで検索したらありました!!
他に借りるような方も居ないようなので
図書館の最終開館日に借りて
じっくりと読んでみます!!(*^_^*)

by rudies (2010-12-02 20:57) 

choko

rudiesさん

この本は、私も偶然図書館で手にとって借りた本で、
こんないい本があったんだ~!と感動しました。

メジャーじゃないけど、いい本、たくさん埋れている気がします♪

いい本との出会いがあるからこそ、また次の良い本を
探しちゃうんですよね(^^)。

rudiesさんも、楽しんで下さい♪
by choko (2010-12-02 22:25) 

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