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「スウェーデン人のまっかなホント」ペーテル・ベルリン著:以前はバイキング、今は超福祉国家の人々の姿! [本ノンフィクションいろいろ]

スウェーデン人のまっかなホント

スウェーデン人のまっかなホント

  • 作者: ペーテル ベルリン
  • 出版社/メーカー: マクミランランゲージハウス
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: 単行本
7.8点

ちょっとマイブーム「スウェーデン」の気配があるのだけど(来るかわからない)、
スウェーデンについては、ほとんど何も知らないので、取っ掛かりとしてこの本を読んでみました。

この「まっかなホント」シリーズは、何冊か読んだけど、どれも面白かった。
そして、この「スウェーデン人のまっかなホント」も、楽しく楽しく読ませて頂きました~♪

いままで読んだ「まっかなホントシリーズ」は、
「日本人のまっかなホント」と「フランス人のまっかなホント」
イギリス人のまっかなホント
ドイツ人のまっかなホント」「アイスランド人のまっかなホント」(リンク先全て感想)。
追記:「まっかなホント」シリーズ、感想一覧はこちら(上記以外もあります)。


現在、福祉国家として有名なスウェーデン。
でも、昔はバイキングの国として、ヨーロッパの国々を恐怖のどん底に陥れていた
(「蛮族の歴史」(リンク先感想)を読むとその辺ちょっとわかる)。
そのギャップの大きさがすごい!

スウェーデン人に対する各国の評価。
ノルウェー人は、誇大妄想の気があると信じ、デンマーク人はパーティの雰囲気を台なしにすると思い、
ロシア人は愚鈍だと評価し、スウェーデンに移民した人は中身が空っぽだと言う。

当のスウェーデン人達は、ノルウェー人のように素朴で実直に物をいい、
デンマーク人のように明るく、フィンランド人のように物静か・・と自認しているという。
そんなスウェーデン人の本当の姿とは?

まずは、長い気候や地理的な環境から、人生を一人鬱々と考え込む「憂鬱」。
もう一つは、圧力をかけられるとすぐ引く「従順さ」だそうだ。
遠い国の独裁や人種差別には声をあげるが、お隣りロシアに対しては何も言わない。
そして、何事も「ほどほどに完璧」。
金持ちや有名人は嫌われる。
唯一の例外は、スウェーデン自体の評価をあげた有名人だけだとか(^^;)。

スウェーデン人は、自分の国が大好きらしい。
同国人の間では、税金が高い、国民は愛想が無い・・・と自国の愚痴をこぼすが、
一人でも外国人が混じれば、欠点など何一つ無い国になるという。
外国人が自国批判をしたら、総スカンだとか。

酒に対しては、税金が恐ろしく高く、政府が飲酒に対して否定的なのが続いた為、
善か悪の両極端で中間が無い。
多くの人は、悪として飲酒を嫌い一滴も飲まないが、飲む人は大酒飲み。
密造酒も反乱しているが、密造酒の作り方の本を発行するのは禁止されているそうだ。
でも「こうすればお酒にならない」とうい本はいっぱいでてるらしい(^^;)。

小説は、深遠さと意味深さを追い求め、訳がわからないものが多いが、
批評家達は、その深遠さと意味深さがわからないと批判されるのを恐れ、批判しない。
他の北欧の国が代表的な作曲家や音楽があるのに比べ、スウェーデンの音楽は、
何の感動も呼び起こさず、聞く人の心にひたすら静けさをもたらすとか。
確かにスウェーデンの音楽って知らないなー。

刑罰については、銀行強盗は犯罪だが、銀行員の横領は辞職すればお咎め無しで、
退職金まで貰えるという(゚◇゚;)!
また飲酒運転など、軽犯罪の罰金は、その人の財産の額で決められるので、
同じ犯罪でも、金持ちはすごい金額を取られるらしい。

バイキングの国としての風習(?)で興味深かったのが、昔スウェーデンの男性は、
老衰などで自宅のベッドで死ぬことは、信じられないほどの屈辱だった。
なので、息子がいれば、断崖まで連れて行って貰い、突き落として貰ったそう。
現在の福祉国家としてのスウェーデンから見ると信じられない話だ。
ただ、この本では、福祉の重さに国家が破綻したら、この風習が復活するかも・・と書いているのだが。
確かに、今スウェーデンの医療は、曲がり角に差し掛かっているようで、
自治体によっては老人ホームの老人が栄養失調に陥っているとも聞く。

かなりシニカルだけど、笑える内容がいっぱい!
スウェーデンは、ほとんど知らなかった分、新鮮な話もいっぱい!

憂鬱で、従順、ユーモアがなく、でも真面目で、ギブアンドテイクやルールをきっちり守り、
自国を愛し、他人には心を開きにくいが寛容・・・・・・かなり捉えどころの無いスウェーデン人だけど、
親しみも湧きました(^^)。

やっぱりこのシリーズは面白い!!
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