SSブログ

「片付けられない女は卒業します」辛酸なめ子著:独自の怪しい雰囲気を持つエッセイ!面白かった♪ [本:エッセイ]

片付けられない女は卒業します

片付けられない女は卒業します

  • 作者: 辛酸 なめ子
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2007/05/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
7.5点

文庫版「片付けられない女は卒業します(MF文庫ダ・ヴィンチ)」も出てます。

辛酸なめ子という名前は、雑誌のコラムなどで、ちょくちょく見かけていた。
でも、特に強い印象は無し。
特に絵の方はヘタウマな人・・・ぐらいの印象。

この本は、以前読んだ「片付けられない女魂」(リンク先感想)と同じように、
赤裸々お片づけエッセイ本で、最近萎えがちの自分の片付け意欲に火をつけてくれるかなーと
期待して借りてみた。

でも、全然片付け本では無かった
一応、最初のほうで、すっごい状態の著者の部屋が、さらりと紹介されてる。
どうやって片付けたかというと、新居を購入して引越し。
引越しが大変だった、いらない物を有料で処分してもらったらものすごーーっくお金がかかった・・
なんて話は載ってるけど、具体的な掃除話はほとんど載ってない。
その後は、インテリア話がメインだし。

ということで、期待していた内容とは、全くかけ離れた内容だったんだけど、これが面白かった!

独特の雰囲気を持ったエッセイ。
無気力っぽくて、自分を卑下してる雰囲気が大。
そして、突き放したようなシニカルな目線。
私の好きな柘植文のコミックエッセイと似た感じ。
ところがそれだけではなく、セレブなどに憧れ行動してしまう強い上昇志向、
インテリアなどへの強いこだわり、好きなものに対するフットワークの軽さ、
でも虚弱なのか頻繁に崩れる体調。
丁寧なですます調の文体から感じられる慇懃無礼さ、女性的な感受性の強さ、
そして、ネタなのだかほんとなのだかわからない、彼女の生活全般に大きな影響を与えているらしい、
スピリチュアル系のエッセンス。

自己完結的辛酸なめ子ワールドが、この本の中で展開している。

散らかっている部屋に積んである雑誌の山一つ一つに、メアリーとかニックとか名前をつけてる著者。
雑誌に人格を持たせることで部屋が「賑やかな社交場に一変」とか書いてあるし。

いつか開くだろうホームパーティのために、可愛い紙皿を集める著者。
食器のアッパーなものは手が届かないけど、紙皿なら最高級の物を出せる。
お客さんに「おしゃれな紙皿を惜しげもなく使うワンランク上」と思って貰おうとの意図の元。
でも、ホームパーティを終わらせる合図は何なのだろうか、人が帰ってしまった後の寂しさに
耐えられそうもない・・とかあれこれあれこれ悩んでたり。

デザインだけで超使いにくい掃除機を買ったかと思えば、憧れのシャンデリアは、
いろいろなデメリットにも目を向け、無難なNECライトを購入して、日本の技術は最高ですと書いてたり。

冷静な分析力と、思い込みの強さが同居してて、そのバランスがすごく不思議。
文章だけ読んでいると、スピリチュアルネタ(風水・霊・気などのパワー・・etc)が多いせいで、
感受性の強さが目立つけど、きっと冷静で客観的な部分もかなりあるんだろうなーと、
ちょっとしたネタから思ったりします。

面白かったので、この著者の他の本も読んでみようと思う。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。