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「電力・ガス業界の動向とカラクリがよ~くわかる本(第二弾)」本橋恵一著:原発の問題点もよくわかる! [本ノンフィクションいろいろ]

図解入門業界研究 最新電力・ガス業界の動向とカラクリがよーくわかる本 (How‐nual Industry Trend Guide Book)

図解入門業界研究 最新電力・ガス業界の動向とカラクリがよーくわかる本 (How‐nual Industry Trend Guide Book)

  • 作者: 本橋 恵一
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2010/12
  • メディア: 単行本
7点

「地球温暖化、原子力 難題を抱える業界を読み解く!」となっており、
エネルギー業界に関して、まとめてある本。

確かに、電力・ガス会社の動向や政府との絡みなどがよくわかる。

この本を読んで、同じような印象だった電力会社やガス会社などの特徴がよくわかって面白かった。
県ごとに各事業所が自立している東北電力(父が東北電力だったので、どこの電力会社もそうかと
思っていたら違っていて、そちらの方がびっくりした)、
社長を会長が選ぶ二重権力構造から脱し、勢いのある中部電力、
最大手な為矢面に立ちやすく難題も多い東京電力、
水力発電が多い北陸電力、大阪ガスと熾烈な闘いをしている関西電力・・・etc。
「関東電力と関西電力の差」など著者が取材をして感じたことを、ちょろっと書いてある部分も面白かった。
その他エネルギー関係の周辺会社に関しても記述があり、10個の電力会社以外にも(電力会社が
10個もあるのも知らなかったけど)いろいろな電気関係の会社があるのを知った。
また電力会社の横並びや、役所的な体質の問題点などに関しての指摘も。

地球温暖化問題、電力市場自由化、原油の高騰や、埋蔵量の問題なども分かりやすく書いてある。

そして、原発!!
原発に関しては第四章がまるまるあてられ、原子力発電の仕組みから、発電の方式、
高速増殖炉もんじゅや、プルトニウムを混ぜたMOX燃料の問題点、原発の不祥事、
コストの問題、原子力発電の主体者・・・など、いろいろな面が語られている。

再処理施設の問題のところでは、使用済み核燃料のリサイクルって、
世界でもほとんどできてない事を知ってびっくり!
イギリスとフランスがやってたらしいけど、イギリス撤退、フランスは頑張ってるけど、
その安全性に関してはいろいろと揉めているらしい(これに関してはちらっと別の本で読んだ)。
原発は「トイレなきマンション」と言われているらしく、本当にそういう状態なのを知って本気で驚いた。
使用済み核燃料のリサイクルって、再処理施設に対する反対運動などにより進んでいないだけかと、
思ったけど、技術的にも問題ありあり、その上、かなりの高コストらしい。

サラッとだけど、今までの日本の原発事故やデータ改ざんなどの問題にも触れているし、
今もちょっと言われているけど、下請け業者と電力会社の溝などについても書かれている。
日本原燃(使用済み燃料再処理施設関係)などは、管理職が電力会社からの出向で、
現場の作業員との溝がありスタッフの、モラル低下の問題が。
また日本原子力発電では、社長が電力会社など親会社からの天下りで、
現場の作業員達のモチベーション低下があるとの指摘も。

最期の章は、これからの2050年に向けてのエネルギー利用方法について、ざっとまとめてある。

全体的にサラッと書いてあるが、そのおかげで読みやすく、電力・ガス業界特徴や、
エネルギー問題について、基本的な部分が押さえやすくなっているのは好印象。
また海外のエネルギー事情、動向なども書いてあり、それも参考になった。
ただ、どれも詳しく書いてある訳ではないので、これを読んで疑問に思った事は、
自分でちゃんと調べる必要があるけど、電力・ガス業界を知る入門書としてはいい本(^^)。
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