「家族の勝手でしょ!-写真274枚で見る食卓の喜劇」岩村暢子著:女性週刊誌の記事みたい [本ノンフィクションいろいろ]
4点
現代家族の食卓の写真から、今の家族を考察する本。
いろいろな家庭に1週間の食事の写真を撮ってもらって、それを分析している。
まず、著者は家庭に関して、「こうあるべき」という確固たる固定観念がある人だと思った。
そして、その目線から、各家庭の粗探しをしている本・・・としか思えなかった。
また、彼女が思い描く昔の「家庭の食卓」って本当にあったのだろうか?という疑問も。
毎日、全く手抜きの無いしっかりした食事が3食・・・過去を振り返ってそれを出していた家庭って、
どれだけあったのだろう??
著者の観点からだと、1週間に一度の手抜きでも、「あーーあこの家庭もダメね」って感じになりそう。
著者自身が、普通は3日間ほどの献立調査しかしないが、それじゃダメで、
1週間写真を撮らせたからこそ把握できたデータだと言っているが、
過去の食卓でそういうデータは無いだろうし。
過去の無かった理想と照らし合わせて、持論論を展開している感がヒシヒシ。
また120人のデータをとったといい、
「この種の超定性調査としては、膨大かつ充分なものであり、定量調査におけるサンプル数の常識で
比較し、調査の信頼性を問う具はどうかご容赦頂きたい」と後書きが。
120人って少ないとは思うけど、それはいい。
でも、120人分のデータなら、もっと数値を出せたと思うのに、それが全く無く、
「ほとんど」「おおい」「少ない」という曖昧な数値で持論が展開されている。
例えば、初日と最終日の食卓。
だんだん貧相になってくと、初日と最終日の食卓の落差が激しい写真が紹介されている。
でも、120人中、そうなったのが何家庭あるかの数値は無い。
最近の主婦は揚げ物が下手で、「ほとんど」が焦げているか色が薄いかで、
よく出来ていると思うとそれは出来合いのもの・・・と書いてあるが、1週間120人の食卓で、
揚げ物を出した人が何人で、揚げ方が下手だったのが何人で、出来合いが何人・・・というデータは無い。
揚げ物って、そんなに難しく無いし、私の周囲で「唐揚げなどの揚げ物は楽だよね~」って話もよくでる。
もちろん揚げ物が苦手って人もいるけど、その苦手な人だけをピックアップしてるとしか思えない。
120人中、70人が1週間に揚げ物出して50~60人が下手だった・・・なら「ほとんど」だと思うけど。
茶碗蒸しやロールキャベツは主婦が手作りしないもので、たまに食卓にあると思うと、
「ほとんど」実家からの差し入れ・・・というのも、また曖昧で数値は無し。
茶碗蒸しやロールキャベツは頻繁に作るものでは無いし、ロールキャベツは、
だいたいキャベツが特売の時期に私などは作る。
だから、1週間調査の時期にキャベツが安くなきゃ作らないと思うし。
茶碗蒸しも、一週間の中で食卓に出る率は少ない。
例えば、茶碗蒸しが3例しかなくて、2例が差し入れ・・となれば、データとしては、
少なすぎて参考にならない。
冷凍食品使用率など、大雑把な傾向を見るには120家庭でもいいかと思うけど、
膨大にある料理の種類に関して、意見を述べるにはあまりにもサンプル数が少なすぎると思う。
以前、女性週刊誌で、幼稚園のお弁当が「ちんちん弁当」(冷凍食品を
レンジでチンしたものしか入ってない)って読んだ。
確かに、お弁当に冷凍食品を入れる率は増えているけど、全部ではない。
それを、データの詳細を出さず「今の母親は!」という視点で語っているのは、この本と似ていると思った。
園児30人の内、冷凍食品使用率とか、冷凍食品の品数・・・まで書いてあるならわかるし、
10年前の冷凍食品使用率に比べ・・・と比較してあるなら、増えてるのかとも思うけど。
タイトルに「喜劇」となっていたので、笑えるとんでも食卓を楽しむ本かと思って借りたんだけど、
著者の凝り固まった固定観念から「今の家庭は危険!!」って話をとうとうと聞かされる本だった。
以前、とんでも無い給食メニューを紹介した本を読んだ時も思ったけど、
1箇所悪い部分があるとそれをピックアップして責めているという感じがヒシヒシ。
息子の学校の給食、栄養士さんとかがすっごく考えてくれてて、楽しい給食のお知らせもあり、
という給食だったけど、たまにお楽しみ給食として、子供が喜びそうなメニュー揃い!なんて時もあった。
もし、そのメニューだけ見れば、「とんでも無い給食」に入っちゃうだろう。
この本も、120家庭しか調べていないなら、献立一覧などを巻末に載せるぐらいできるだろうし、
ちゃんとした食卓の家庭もあっただろう。
でも、ここで紹介されているのは、著者が主張したい「今の家庭の危機!」を裏付ける写真ばかり。
昔の家庭の良かった点というのがあるのもわかるけど、各家庭の粗探しみたいな事をして、
それを論じられても・・・と思ってしまった。
確かに「これはすごい!」って食卓もあったので、違うスタンスで語られていれば、
もっと楽しめたと思うのだけど、イマイチでした。
現代家族の食卓の写真から、今の家族を考察する本。
いろいろな家庭に1週間の食事の写真を撮ってもらって、それを分析している。
まず、著者は家庭に関して、「こうあるべき」という確固たる固定観念がある人だと思った。
そして、その目線から、各家庭の粗探しをしている本・・・としか思えなかった。
また、彼女が思い描く昔の「家庭の食卓」って本当にあったのだろうか?という疑問も。
毎日、全く手抜きの無いしっかりした食事が3食・・・過去を振り返ってそれを出していた家庭って、
どれだけあったのだろう??
著者の観点からだと、1週間に一度の手抜きでも、「あーーあこの家庭もダメね」って感じになりそう。
著者自身が、普通は3日間ほどの献立調査しかしないが、それじゃダメで、
1週間写真を撮らせたからこそ把握できたデータだと言っているが、
過去の食卓でそういうデータは無いだろうし。
過去の無かった理想と照らし合わせて、持論論を展開している感がヒシヒシ。
また120人のデータをとったといい、
「この種の超定性調査としては、膨大かつ充分なものであり、定量調査におけるサンプル数の常識で
比較し、調査の信頼性を問う具はどうかご容赦頂きたい」と後書きが。
120人って少ないとは思うけど、それはいい。
でも、120人分のデータなら、もっと数値を出せたと思うのに、それが全く無く、
「ほとんど」「おおい」「少ない」という曖昧な数値で持論が展開されている。
例えば、初日と最終日の食卓。
だんだん貧相になってくと、初日と最終日の食卓の落差が激しい写真が紹介されている。
でも、120人中、そうなったのが何家庭あるかの数値は無い。
最近の主婦は揚げ物が下手で、「ほとんど」が焦げているか色が薄いかで、
よく出来ていると思うとそれは出来合いのもの・・・と書いてあるが、1週間120人の食卓で、
揚げ物を出した人が何人で、揚げ方が下手だったのが何人で、出来合いが何人・・・というデータは無い。
揚げ物って、そんなに難しく無いし、私の周囲で「唐揚げなどの揚げ物は楽だよね~」って話もよくでる。
もちろん揚げ物が苦手って人もいるけど、その苦手な人だけをピックアップしてるとしか思えない。
120人中、70人が1週間に揚げ物出して50~60人が下手だった・・・なら「ほとんど」だと思うけど。
茶碗蒸しやロールキャベツは主婦が手作りしないもので、たまに食卓にあると思うと、
「ほとんど」実家からの差し入れ・・・というのも、また曖昧で数値は無し。
茶碗蒸しやロールキャベツは頻繁に作るものでは無いし、ロールキャベツは、
だいたいキャベツが特売の時期に私などは作る。
だから、1週間調査の時期にキャベツが安くなきゃ作らないと思うし。
茶碗蒸しも、一週間の中で食卓に出る率は少ない。
例えば、茶碗蒸しが3例しかなくて、2例が差し入れ・・となれば、データとしては、
少なすぎて参考にならない。
冷凍食品使用率など、大雑把な傾向を見るには120家庭でもいいかと思うけど、
膨大にある料理の種類に関して、意見を述べるにはあまりにもサンプル数が少なすぎると思う。
以前、女性週刊誌で、幼稚園のお弁当が「ちんちん弁当」(冷凍食品を
レンジでチンしたものしか入ってない)って読んだ。
確かに、お弁当に冷凍食品を入れる率は増えているけど、全部ではない。
それを、データの詳細を出さず「今の母親は!」という視点で語っているのは、この本と似ていると思った。
園児30人の内、冷凍食品使用率とか、冷凍食品の品数・・・まで書いてあるならわかるし、
10年前の冷凍食品使用率に比べ・・・と比較してあるなら、増えてるのかとも思うけど。
タイトルに「喜劇」となっていたので、笑えるとんでも食卓を楽しむ本かと思って借りたんだけど、
著者の凝り固まった固定観念から「今の家庭は危険!!」って話をとうとうと聞かされる本だった。
以前、とんでも無い給食メニューを紹介した本を読んだ時も思ったけど、
1箇所悪い部分があるとそれをピックアップして責めているという感じがヒシヒシ。
息子の学校の給食、栄養士さんとかがすっごく考えてくれてて、楽しい給食のお知らせもあり、
という給食だったけど、たまにお楽しみ給食として、子供が喜びそうなメニュー揃い!なんて時もあった。
もし、そのメニューだけ見れば、「とんでも無い給食」に入っちゃうだろう。
この本も、120家庭しか調べていないなら、献立一覧などを巻末に載せるぐらいできるだろうし、
ちゃんとした食卓の家庭もあっただろう。
でも、ここで紹介されているのは、著者が主張したい「今の家庭の危機!」を裏付ける写真ばかり。
昔の家庭の良かった点というのがあるのもわかるけど、各家庭の粗探しみたいな事をして、
それを論じられても・・・と思ってしまった。
確かに「これはすごい!」って食卓もあったので、違うスタンスで語られていれば、
もっと楽しめたと思うのだけど、イマイチでした。
「3日じゃ少ない。1週間だ。」って、そんなに大差ないような気がするんですケド(笑
で、この本の結論は「昭和の食卓マンセー」ってことでよいのでしょうか。
by コステロ (2011-05-26 07:14)
コステロさん
著者によると3日間じゃなく、1週間、それも写真を撮ったから
真の食卓の姿が見える!ってことらしいです。
3日だと体面などで頑張って作るけど、1週間はもたないとか。
そんなデータ昭和の頃にも無いから、昭和の真の食卓も把握できない・・
ってことだと思うのですが(^^;)。
結論は、その通り!!って感じです(笑)。
この著者の別の本をちょっと立ち読みしたのですが、
「昭和の家庭マンセー」って内容でした(^^;)。
by choko (2011-05-26 07:50)