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「怪笑小説」「容疑者Xの献身」東野圭吾著:うーん、ダメかも・・・ [本:ホラー&ミステリー]

怪笑小説

怪笑小説

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1995/10/26
  • メディア: 単行本
5点

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/08/25
  • メディア: 単行本

7点

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「怪」って字に惹かれたのと(今「怪奇箱シリーズ読んでるから(^^;))、
「怪笑」からブラックユーモアものかなーと思って借りてみた「怪笑小説」。
直木賞など、いろんな賞をとってる超有名作家東野圭吾の短篇集。
たくさんベストセラーを出してる作家さんだけど、私に取っては初東野圭吾。

「鬱屈電車」は、満員電車で人々が口に出さず思ってる不満を延々と書いた物。
「おっかけバァさん」は、節約節約でいきてた老婆が、芸能人に大ハマリする話。
「一徹おやじ」は巨人の星のパロディ。
「逆転同窓会」は、先生の同窓会に生徒を読んだら・・・という話。
「超たぬき理論」は、UFO実在論を「たぬき」に置き換えた話。
「無人島大相撲中継」は無人島に漂着してしまった人々の話。
「しかばね台分譲住宅」は、価格が下がった分譲住宅同士の諍いを書いた話。
「あるジーサンに線香を」は、若返りの手術を受けた老人の話。
「動物家族」は、人が動物に見えるようになった中学生の話。
の9編の短編が収められています。

で、どうだったかというと、正直面白くなかった。
社会風刺的な側面が強くブラックな笑いがある短篇集ではあったけど、毒の薄い筒井康隆という感じ。
毒が薄い分、リアルでもあるんだけど(筒井康隆は毒がありすぎて、こんな人いないよ、
こんな状況起きないよってなるので)、オチが「チャンチャン」とキレイに落ちすぎちゃって、
リアルさとぶつかってる。
調べたら、筒井康隆と星新一のファンだという。
あーー、落ち方が星新一っぽいんだ・・と納得。

「巨人の星」を元にしたパロディ物などもあったけど、こじんまりし過ぎてるし。
この辺は、ぶっとんだ作品が好きだから、そう感じるのかも(^^;)。

それだけじゃなく、社会風刺物に関しては、著者の視線が、現象を面白がってるというより、
「こういう人達ってダメだめだよね~」て言う哀れみや軽視する目線に感じられて、
読後感があまり良くなかった。
変な人達って面白い!!ってスタンスが欲しかった。

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ただ、この作品、たっくさんある東野圭吾作品の中ではそれほど評価が高くないよう。
この作品だけで、東野圭吾は好みじゃない・・と判断するのは早急だと思い、
直木賞受賞作品でもある「容疑者Xの献身」も読んでみました。

天才的な数学者である石神は、しがない高校教師の職についていた。
そんな石神がアパートの隣に住む女性に恋をした。
彼女が殺人をおかした事に気がついた石神は、彼女を守る為、その天才的頭脳を駆使する。
その石神のトリックに、彼の旧友である物理学者湯川教授(ガリレオ)が挑む!

「ガリレオ」シリーズは名前だけ知ってたけど、ちょっと内容を知ってるだけ。
この作品に登場する湯川教授がガリレオなのは、中盤過ぎて知りました(^^;)。

で、とても読みやすかったです。
文章はドライな感じで、簡潔で、登場人物の心理描写も的確。
でも、逆にそれがダメだったかも。
登場人物の心情とか、考えとか、全部分かりやすく書いてありすぎて、想像する余地が無いというか。
普通なら、行間を読むというか、「ここはこうなのかな??」って想像するんだけど、
それをしなくても、ポイントポイントで、登場人物の心情がしっかり説明されてしまって
(時には読者の考えを代弁するように)、自分で深く物語を創り上げるのではなく、
作者の用意した物語の表面をなぞって終わってしまった・・・という感じ。
言い換えれば、わかりやすい感動もの。
実は「わかりやすい感動もの」って興ざめしちゃってダメなのです
(ノンフィクションは大丈夫なんだけど)。
それに、どんぴしゃりというか(^^;)。

石神の仕掛けたいろいろなトリックはそれなりに面白かったけど、
この話のテーマは「献身」で、その部分にのめり込めなかった為、
ラストも感動できなかったし(^^;)。

人気がある作家さんだけど、自分の好みからはやっぱり外れてた・・・という結果に終わってしまった。
まぁ、自分の好みは、かなり一般からずれてるとは思うのですが(^^;)。
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rudies

ふむふむ。

やはり……(^_^)b

実は私も東野圭吾は肌に合いませんでした。(^^ゞ

随分前にガリレオシリーズ(容疑者Xも含む)を
読みましたが、短編がホントに面白くないんですよねえ。

私の中の指針としては短編が面白い作家は
長編も面白いだろうというのがありまして。f(^ー^;

結果、容疑者Xも今ひとつと言いますか。

そうそう、あざといという感じです。
毒、吐いちゃいました?f(^ー^;
by rudies (2011-06-27 10:54) 

choko

rudiesさん

おお、rudiesさんもダメでしたか~(^^;)。

人気のある作家といえば、以前道尾秀介を読みました。
彼の場合は、作品の指向が好みか好みじゃないかで、
作品自体は良作だなーと思ったのですが、
東野圭吾の場合は、作品自体をいいと思えませんでした。

「容疑者Xの献身」って、登場人物の心理描写とかテレビドラマ
みたいでわかりやすいけど、薄っぺらいんですよね。
テレビドラマなら、そこに役者さんの力量も入るからまた違って
くるのでしょうけど、文章だけだと辛いものが。

それに、rudiesさんが言う「あざとい」ってのも同感(^^;)。
by choko (2011-06-27 14:08) 

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