「懐かしい家」小池真理子著:怪奇幻想傑作選1、切ないホラー短篇集 [本:ホラー&ミステリー]
6点
自分の中の小池真理子といえば「墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)」。
これは怖かった!!!
どんどん追い詰められていく主人公の恐怖が、著者の心理描写の巧みさから、
読んでいる方にも、ビンビン伝わって来て、読んでてゾクゾクした。
ただ、ホラー作家ではないので、他の作品は好みから外れており、彼女の作品はこれで2冊目。
表題作を含む8編が収録された短篇集。
・ミミ:家族を交通事故で亡くした老女。彼女のただ一人生き残った孫にピアノを教えることになったが・・。
・神かくし:子供の頃、神社で一度だけやった鬼ごっこ。しかし一緒に遊んだ子が行方不明に。
・首:自慢の兄が突然交通事故に。そして私の前には首が・・・。
・蛇口:中年の男の前に「蛇口」が出現。それは今まで彼を翻弄して来た物だった。
・車影:大雨の日、優しかった祖母は黒いタクシーに乗り消えた。そのタクシーがまた自分の前に・・。
・康平の背中:愛する人を失い、目的も無く生きる自分。その前に現れたのは・・。
・くちづけ:2000年も背負われ続けている夢を見た。その夢の意味するものは?
・懐かしい家:離婚して戻った我が家。かつては親子と愛猫と暮らしていた家に一人。
しかしそこで待っていたのは?
怪奇幻想というよりは、ホラー仕立ての内容。
ただ、恐怖感は弱いし、アイディアやストーリーの展開も普通。
どちらかというと、失われたものに対する辛さとか、切なさ、悲しさ、そちらが主体の話が中心。
登場人物のそういう心情が丁寧に書かれている。
私としては、もっと「怖い」話が読みたかったので、ちょっと期待外れ。
好みじゃないので点数低めだけど、キレイにまとまっている話が多く、
センチメンタルなホラーが読みたいならいいかも。
※他の人にはどうでもいいことだと思うのですが、
ブログのカレンダーの記事投稿日がキレイな格子になって嬉しい!
先月1日だけ失敗したので、8月は頑張ってみた。
あまりにも意味のない努力だけど、自分は達成感(爆)。
『墓地を見下ろす家』は私も読みました。
『リング』以来久々にゾッとした作品でしたが
主人公の前妻が自殺したことと、襲いかかる怪現象との関連があるのかないのか、
その辺が最後までよく解らず、その点にチョッと消化不良な感じがしました。
カレンダーはやはり狙っていたんですね(笑
先月はキッチリ1日おきの更新でしたから、「意図的なのかな」とは思っていました。
キレイにそろうと気分いいですよね。
by コステロ (2011-09-01 12:45)
コステロさん
「墓地を見下ろす家」怖かったですよね~。
私は、前妻の自殺との関連はあまり気になりませんでした。
何故かな?
釈然としないものが残るのは、怪談風でいいなーって思えることもあるからかも?
で、カレンダー、気がついててくれて嬉しいです!!
誰も気がつかないだろうなーと思ってたので、すっごくO(*^▽^*)o~♪
そうなんですよ、現在、すっきり爽快です(笑)。
by choko (2011-09-01 22:23)