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「ねがい」「蟲たちの家」楳図かずお著:楳図かずおの短篇集2冊! [本:コミック]

ねがい (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 2)

ねがい (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 2)

  • 作者: 楳図 かずお
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: コミック
7.5点

蟲たちの家 (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 3)

蟲たちの家 (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 3)

  • 作者: 楳図 かずお
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: コミック
6.5点

小学館から出ている「楳図パーフェクション」の2と3。
おろち 1 (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 4)
神の左手悪魔の右手 1 (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 12)
わたしは真悟 1 (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 11)」なども出てます。

「のろい」の方は、1975年~1985年まで描かれた短編を集めたもの。
友達のいない男の子が作った人形モクメの話「ねがい」、
子供達が作った呪いのマスクの話「DEATH MAKE」、
ダイエットの果ては・・の「絶食」、寿命が20歳になった世界の話「Rojin」、
恐怖のクリスマス「プレゼント」、近所から逃げ出した蛇は・・・の「蛇」、
縁遠かった祖母の葬儀で起きる怪「鎌」など、楳図かずおらしいホラー系の話が多かった。

「ねがい」のモクメの不気味さ、怖さは、楳図かずおの絵柄ならでは。
また切ない話でもあるのがいい。
「Rojin」も味があって、印象に残る話だった。
「鎌」は、ストーリー的にはそれほどひねりがないけど、とにかく楳図かずおの絵で、
実話怪談系の話を描いたら、こんなに不気味に面白くなるんだ!と思えた話。
楳図かずおのホラー短編が読みたい人にお勧め(^-^)ノ。

「蟲たちの家」も「ねがい」と同じくホラー短篇集だけど、男女の機微がテーマになっている話が多い。
浮気した夫に追い詰められ蝶になりたいと願った妻の話「蟲たちの家」、
近所のこどもに浮気の現場を見られた貞淑な妻が日々怯えつつ過ごす「目」、
妻殺しの冤罪で死刑になろうとする男の話「ロウソク」、
意識不明の婚約者をずっと介護する男の話「きずな」、
芸能界デビューを切望する女の狂気「螺旋階段」、
轢き殺した妻の首が消失した「首」、
結婚は失敗・・人生をやりなおせたら・・・その願いがかなった時・・「夏の終わり」 、
などが収録。

恐怖ホラーと言うより少ししみじみするような幻想系の話も多い。
どうも、男女の機微や、人間の心のちょっとした琴線をを描くには、
楳図かずおの絵柄、キャラクター、演出は激しすぎな気がして、しっくり来ない話が多かった。
こちらは残念!
それでも楳図かずおテイスト満載なので、楽しめることは楽しめるんだけど。
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コメント 4

コステロ

満を持しての梅図2冊の登場ですね(笑

梅図漫画には独特のリズムがあり、
特に恐怖漫画の場合、「おびえている顔」が
徐々にアップになりつつ3コマくらい続き、
しかも最後はなぜか口のアップだったりして(笑)、
その辺の手法に疑問を感じてしまうと
楽しめない、と言うか乗りきれない、と言うか・・・。

ですが、私が最後に梅図作品を読んだのはだいぶ前。
今この歳になってから読めば、感じ方も違うかもしれないので、
特に『ねがい』の方は読んでみたいなぁ、と思いました。
by コステロ (2012-01-19 09:02) 

choko

コステロさん

満を持してというより、やっと感想書いたって感じです(^^;)。

あはは「怯えている顔」のズーム、わかりますわかります!
一瞬時間が止まったような演出ですよね。
楳図かずお独自のあのセンスや絵柄は好みが分かれそうですね。
私は、子供の頃、マンガのホラーと言えば楳図かずお(黒い猫面とか、赤ん坊少女とか必死で立ち読みしてた)だったので、
あまり違和感無いのですが。

ただ、楳図かずおは、短編より、シリアスな長編の方が好きです。
「漂流教室」や「私は慎吾」「14歳」など。
特に「私は慎吾」はスピリッツで連載してるのを流し読みしてたのですが、
単行本でまとめて読んだら、面白くてびっくりでした。
週刊誌向けじゃない話ってあるんだーってのを「私は慎吾」で知りました。
「ねがい」もなかなかいい味出してる話がありますが、
もし読んでなくて気が向いたら「私は慎吾」なども手にとって見てください♪

そうだ、先日紹介した「ココロミくん」でやってる楳図恐怖顔に顔を塗り分けたトライ、
ちゃんと楳図恐怖顔なので、リンク先見てあげてください(笑)。

by choko (2012-01-19 19:54) 

コステロ

あの「怖い顔ズーム」は、
ヒチコックの『サイコ』が元ネタなんでしょうね。

子供の頃に読んだホラー漫画と言えば、私は日野日出志でした。
あとは古賀新一の『エコエコアザラク』なんかも読んでいて、
子ども心には、わりと怖かった憶えがあるんですケド、
実際にはかな~りシュールで笑えるらしいですね(笑

私にとっての梅図かずおといえば『まことちゃん』なので、
元々はホラー漫画家だと知った時には驚いたものです。

『ココロミくん』の「恐怖顔メイク」は、前回リンクされていた時見ました。
あのメイクのまま街中を歩いたのがスゴイ!(笑
by コステロ (2012-01-20 09:51) 

choko

コステロさん

おおっ、「サイコ」が元ネタって、言われてみればですね~!

で、日野日出志忘れてましたよ!!
そうそう、私も子供の頃は、楳図と日野日出志でした♪
「魔太郎がくる」なんかも好きでした。
その後は、わたなべまさことか高階良子とか山岸凉子とか、
少女漫画系のホラーを読んでましたね。
古賀新一のエコエコは最初の数話だけは、シリアスなんですけど、
どんどんミサのキャラクターが崩れて(^^;)。
今読んだら、きっと笑えますよ←先日少し読んだら、記憶以上に
すごくて、愕然としました。

私の場合、ホラーの楳図だったので、逆に「まこと」ちゃんの方が衝撃でした。
なぜ楳図かずおがこんなギャグマンガを・・って(笑)。
この辺、年齢の違いが出てますね(^^;)。

楳図かずおの影響大な、伊藤潤二が現在もすごく好きなのですが、
寡作になってしまって残念です。
by choko (2012-01-20 15:57) 

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