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「凶宅」三津田信三:禁忌を破って建てられた家の住人達の運命は・・・ [本:ホラー&ミステリー]

凶宅 (光文社文庫)

凶宅 (光文社文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/09/09
  • メディア: 文庫

7点

三津田信三の、3作ある「家シリーズ」の2作目。
一作目が「禍家」、三作目が「災園」(それぞれリンク先感想)。

身近な者に災が降りかかりそうな時、それを察知する能力がある小学生の翔太。
引越し先の、切り開かれた山の中腹に建つ家に向かう途中、感じた不吉な感じ。
そして、家を目の前にしてその気持ちはますます深まる。
4軒建てられる予定だったはずが、3軒は放置され、一軒だけ完成していた新居。
そして、ゾッとするほどの不吉な予感を裏付けるように、家の中で次々に起きる怪異。
家の中をうろつく影。
夜中、妹の元には、謎のモノが訪問する。
自分を呼びこもうとする、元は禁忌だった山。
時代の流れで禁忌の山を切り開いた為、老婆一人を残して、次々に家人が亡くなった一族。
父母姉妹、4人の家族は、その家の持つ忌まわしさに気がついていない。
一人調査を始めた翔太は、その家に以前住んでいた少女が綴った恐ろしい日記を発見するが・・・。

伝奇ホラー感満点で、怖いです。
家の中、家の周辺、近所のアパートの住人、そして山の持ち主である一族の魔窟の
ようになった廃墟の中・・・・・最初から不気味な感じ満載で、息つく暇も無し!という感じ。
とにかくゾクゾクする感じが堪能できます。

ただ、点数が低めなのは、この物語、新居に以前住んでいた住人達に何があったのか、だけでなく、
山の秘密、何故このような怪奇現象が起きているのか・・を調べる内容なのに、
結局わかったのは、住人に何が起きたのかだけで、怪異が起きる原因・由来については
ほとんど触れられず終わってしまった事。
そういうぼんやりした状態で、余韻を残すようなラストは、もやもや感を増やすだけだったし。

雰囲気満点だっただけに、もうちょっと謎についても掘り下げてくれれば・・・
という消化不良感が残った。
でも、読んでいる最中、ゾクッっとできるのは確かです。

評価としては、「禍家」>>「災園」>「凶宅」って感じだけど、
怖がれる感だと「禍家」>>「凶宅」>「災園」って感じ。
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