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「天然石のエンサイクロペディア」飯田孝一著:写真も情報も盛り沢山で読み応えあり(過ぎ)!! [本ノンフィクションいろいろ]

天然石のエンサイクロペディア

天然石のエンサイクロペディア

  • 作者: 飯田孝一
  • 出版社/メーカー: 亥辰舎
  • 発売日: 2011/01/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
8点

「天然石のエンサイクロペディア」という書名に負けない、盛り沢山ぶりの一冊!
鉱物ではなく、宝石よりの解説で、写真も原石、カット石、様々なカラーバリエーション、
原石、カット石でも産地が違うものと、一つの鉱物の紹介でも、いろいろな種類が見られるのが、
とても参考になった。
それにしても、同じ名前の天然石でも、色も形も何もかも違ってたりするのもあって、
こりゃ科学的に調べないと判別不能なものが多いのも当たり前か・・と思ってしまった。

構成は、見開きに、ずらーっと並べられた原石、カット石、結晶などの写真(10~23種類ほど)。
次のページ見開きで、その宝石の説明と、前ページの写真の石について、それぞれ解説。
写された原石・結晶・カット石などにそれぞれ番号がついていて、それを参考にしながら、
前後のページを何度もめくりながら確認しなければいけないので、とにかく読むのは大変だった。
ここ3週間ほど、毎日毎日毎日、ちまちまちまちまと読んで、どうにか読了。
ほとんど他の本が読めなかったくらい。
それでも、この本に載っている膨大な宝石に関する知識は、すっごく面白かったし、勉強になりました。

宝石の成分、成分が同じだけどカラーが違い別名で呼ばれているもの、
成分は同じだけど結晶構造が違うため別の宝石になっているもの(同質異像-
炭素・ダイヤモンドなど元素が一種類の場合は同素体)、
産地によるカラーの違いや、そのカラーの元になっている成分、その宝石が作られる場所
(ペグマタイトとか)・条件による違い、名称の由来や誤解、歴史の中で同じ石だと
混同されていたものの話や、天然石を加熱処理したり、染めたりする事に関して・・etc、
とにかく、広範囲にフォローされてます。
一度ザっと読んだだけでは、全然吸収しきれないので、買おうか悩んでいる。

「鉱物カラー図鑑」の感想でも書いたけど、一番大変だったのは、
宝石だからか名称がカタカナ表記で、とにかくイメージがつかみにくかった事。
アゲートより瑪瑙、ジャスパーより翡翠の方が馴染みがあるし。
「カルコパイライト」も「黄銅鉱」表記なら、銅が入ってるんだってわかるし、
「キュープライト」も「赤銅鉱」表記なら、銅が入ってて赤味を帯びてるんだろうな・・
(実際は赤以外にも黒、紫があるようだけど)とイメージできる。
でも「カルコパイライト」「キュープライト」じゃ、近い鉱物だってのが全然わからん-ライトは石の事で、
多用されてる)。
「クロライト」より「緑泥石」、「アノーサイト」より「灰長石」、「マイクロクリン」より「微斜長石」、
など、ほとんどの物が漢字で表記されたほうが、覚えやすいし、イメージもしやすいので、
カタカナ表記だと辛い。
鉱物の説明中、他の鉱物の名前が出てくると、全然イメージできず、何度も何度もそれを索引などで
探して確認するはめに。
その上、年齢のせいで、新しい言葉が入りにくく、やっと「クリソ」は、
ギリシャ語の「金」だってのを覚えたくらいだ(-_-;)。
宝石などの場合、カタカナ表記が一般的なのでしょうがないと言えばしょうがないんだけど・・・。

でも、天然石に関して、いろいろと書かれているので、ほんとーにすっごく勉強になりました♪
お勧め(^-^)ノ。
ただ、著者の主観による主張(こうあるべき)も多いので、ある程度知識がある人は、
少しそれが気になるかも。
私は、全然そういうのが無いので、感じなかったけど(^^;)。

覚書:沸石(ゼオライト)ってイメージがつかめなくて困ってたんだけど、
この本に分かりやすい説明があったので覚書。

鉱物種名ではなくファミリーネームで、結晶構造の中に、特徴的に水を含んでいる。
結晶を加熱すると、その水分を放出し、沸騰しているように見えることから名前がついた。
珪素塩の一部をアルミニウムが置き換え、酸素との比率が1:2(Al・Si:O=1:2)になる。
加熱して水が放出されても、その結晶構造が変化しないのが特徴で、
水が放出された後のチャンネル構造は、様々な気体を吸着する。

覚書2:辰砂(シンナバー)-HgSの構成。
シンナバーから作られた赤い顔料の「朱」を「丹」と呼ぶ。
「賢者の石」とも呼ばれ、錬丹術ではこれを飲むと不老不死になると言われていた。
現在としても、石薬として漢方薬で使われている。
水銀を含むので、実は多量に飲めば毒。
「鶏血石」も、これの一種。
(「鋼の錬金術」をなんとなく思い出したので)

覚書3:ジルコン(天然)とキュービックジルコニア(人工)は、全くの別物だったのを知った。
(少し前は、ジルコン(キュービックジルコニア含む)は全部人工と勘違いし、
その後ジルコン(キュービックジルコニア含む)は天然と勘違いし・・・やっと)

覚書4:ラプラドライト(曹灰長石)
長石族のアルカリ長石(オーソクレース/正長石・マイクロクライン・微斜長石)とは系列の違う斜長石系列。
斜長石は三斜晶系で、アノーサイト・灰長石(Ca[Al2Si2O8])とアルバイト・灰長石(Na[AlSi3O8])
の双方を構成成分に持ち、アルバイト50~30、アノーサイト50~70の割合のものを、
ラプラドライトという。

覚書5:ムーンストーン
長石の中の特殊なものにつけられた宝石名。
オーソクレースを主体に、アルバイトをを胚胎し、特殊な光学現象を引き起こすもの。
ペリステライト(アルバイト)・アノーソクレス(曹微斜長石)も、同じようなブルーのシラーを見せる。
ムーンストーンに関してはこちらのサイトが詳しい。
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コメント 4

コステロ

お勧め(^-^)ノ

・・・って言われてもなぁ、と言う感じです(笑

しかも8点だし(笑
by コステロ (2012-09-06 05:58) 

choko

コステロさん

そんなこと言わずに。
宝石に詳しくなれば奥様も大喜び♪
お勧めですよ!(笑)
by choko (2012-09-06 19:33) 

コステロ

いやぁ、変に詳しくなっちゃったら
やぶへびコース一直線でしょう(笑
by コステロ (2012-09-08 06:37) 

choko

コステロさん

>やぶへびコース一直線
あはははは、言われてみれば(笑)!
それはもう恐ろしいコースに突入になっちゃいますね(^^;)。
by choko (2012-09-09 01:36) 

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