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「同葬会」藤ダリオ著:すっごく普通のB級、いやC級ホラーだった [本:ホラー&ミステリー]

同葬会 (角川ホラー文庫)

同葬会 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 藤 ダリオ
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/03/25
  • メディア: 文庫
6点

同じ角川ホラー文庫から出ている「出口なし」が気になってたんだけど、こちらを購入。
駐車券にハンコ押してもらおうと思って本を買おうとした時、藤ダリオの本が
これしか無かったからなんだけど(^^;)。

高校の時の「テニス同好会」のメンバーが、同窓会で集まったのを機に、
また1人、また1人と死んでいく。
そして、同窓会メンバーと合宿旅行した時の映像にも変化が。
戦国時代、金鉱を封鎖する時、口封じの為に殺された遊女達の呪いが噂される「遊女淵」に、
合宿の時、行ったのがきっかけなのか・・・。
続く死の連鎖を止める方法はあるのだろうか・・・。

ストーリーは単純で、B級ホラー映画テイスト。
著者もそれを意識していたよう。
ただ、B級を魅力的にする突き抜け感も無く、B級というよりは、C級に近いチープなでき。

文章もあっさり簡潔過ぎて、ホラーな雰囲気を盛り上げる文体ではないし、
なにより、登場人物がちゃんと描けていないのがすごく気になった。
10人いる登場人物が、ちゃんと描けておらずぼんやり。
そのせいで登場人物たちにはほとんど魅力が無く、どんどん登場人物が死んでいく
恐怖感・緊迫感も薄い。

著者の頭の中では、登場人物の設定が作られているんだろうけど、
それが読んでいても伝わってこないので、要所要所で違和感が。
本作の後半部分で「いつも快活」と表現されている「洋子」という登場人物。
それまでの行動からは「いつも快活」ではなく、理屈っぽくて刺々しい人物像しか浮かばない。
「えっ、この人って、快活なの??」みたいな(^^;)。
映画だったら、それなりに長く写っていれば嫌なキャラだって感情移入できるけど、
小説の場合、魅力が無いキャラ、その上、キャラがあやふやでは・・・。
他にも、そういうギャップをあちこちで感じた。
また、ヒロインである奈央が、映画監督志望ということで、
最初の頃に、映画撮影に関する話がちょっと続くんだけど、それも全く生かされていない。
ちょっとした設定はいろいろあるけど、無くてもいい設定が多過ぎ。
きっと、主人公他、いろんな要素を変えても成り立ってしまう話。

余計なことは余り書かず、展開が早いので、飽きずにサクサク、最後まで読めるのはそれなりに評価。
ストーリーが単純なので、無理してひねって「ありえねー」「なんじゃこりゃー」状態とかには
ならなかったのはある意味良かった。
読みやすく単純なホラー小説。
中の下という感じでした。

藤ダリオは、自分としては、もう読まなくてもいいな。
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