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「かくかくしかじか」1巻・東村アキコ著:漫画家を夢見ていた青春!著者の自叙伝。しみじみ、ジワジワ来る!! [本:コミック]

かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)

かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)

  • 作者: 東村 アキコ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/25
  • メディア: コミック
8.5点

ひまわりっ ~健一レジェンド~」「主に泣いてます」「海月姫」など、
独自のセンスが爆発したマンガを書いている東村アキコ。

「ひまわりっ」は、破天荒な父親に振り回される娘ひまわりが主人公。
途中ラブストーリーなども入るけど、とにかく父親以上に個性的過ぎる会社の
同僚の面々の唐突な寸劇による、超脱線がすごく、その寸劇が面白い時もあれば、
引いちゃう時もあり、新しくて変で面白いけど、通しではついていけなかった印象。

「主に泣いてます」は、美人すぎるが故、どんどん不幸になっていくいずみさんが主人公の話。
バイトすれば、いずみさんに惚れた店主と妻の間で殺傷劇多数、
妹の結婚も、自分が出席したせいでぶち壊し、いずみさんを奪い合い乱闘事件も発生。
美貌を隠すために「子泣きじじい」など、出歩くために、変な仮装をしたりと大変。
これまた個性的な脇役の寸劇が多く入ってたけど、「ひまわり」ほど脱線が無く、
不条理ギャグとシリアス話が交差し、最後まで楽しんで読んだ。
ただ、単行本でまとめて読むまでは行かなかった。

「海月姫」は、デザイナーを夢見る主人公と、これまた個性的な面々の話で、
少女マンガなせいかおとなしめで、それほど大きなストーリの脱線は無い。
それでも不条理ギャグとシリアスを微妙な具合で織り交ぜたセンスは健在。

そんな独自のセンスを持つ東村アキコの、自叙伝的コミックエッセイが「かくかくしかじか」。

宮崎で、皆に絵を褒められ、美大→漫画家→大ヒット→アニメ化・・・と誇大な妄想を持っていた
著者を打ち砕いたのが、大学受験の為師事した絵の先生。
竹刀を振り回し、子供だろうが、年寄りだろうが、情け容赦なくののしり指導する
その先生の温かさ、そして主人公アキコの脳天気さと、直面する現実の厳しさを、
笑いあり、涙ありで、描いた作品。

元々、それなりに好きだった東村アキコだけど、「それなりに好き」レベルだったので、
あまり期待せず読んだら、とにかくすっごくいい話だった。
表面は厳しくて、情け容赦無く、恐ろしい先生の、温かさ、実直さが、ジワジワジワジワ伝わって来る。
思春期の考えの甘さや、それ故いろいろな事にチャレンジできる事なども思い出した。
基本ギャグで笑えるのに感動できる、すごくいい自叙伝コミック!

すごくすごくお勧め(^-^)ノ。
胸がじんわりと暖かくなる♪
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