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「消滅した国々-第二次世界大戦以降崩壊した183ヶ国」吉田一郎著: [本:歴史]

消滅した国々―第二次世界大戦以降崩壊した183ヵ国

消滅した国々―第二次世界大戦以降崩壊した183ヵ国

  • 作者: 吉田 一郎
  • 出版社/メーカー: 社会評論社
  • 発売日: 2012/11
  • メディア: 単行本


もう7~8年くらい前だけど、この著者の「国マニア―世界の珍国、奇妙な地域へ!」を
読んだ時は、かなりの衝撃を受けた。
キティちゃんの切手を売っている国とか、住民が全く働いていない国、
独立したのに国民投票で植民地に逆戻りした国・・・・とにかく、面白いエピソード満載、
自分の常識とはかけ離れた国々が紹介され、それと共に「国家とは?」ということも
考えさせられる本だった。

で、今回読んだのは「消滅した国々-第二次世界大戦以降崩壊した183ヶ国」。
第二次世界大戦以後、以前からあった国が消滅した国もあれば、
新しくできたけどまた消えてしまった国もある。
そういう国183ヶ国を紹介した本。

第一章:国際的に承認された国(南ベトナム・ソ連・東ドイツ・チェコ・スロバキア・旧ユーゴスラビア等)
第二章:わずかな国に認められた国(パレスチナ・コソボ共和国←消滅してまたできた・・等)
第三章:改めて独立したら併合された国(チベット・ハイデラバード藩王国等)
第四章:併合されたくて独立した国(内モンゴル人民共和国・シンガポール←現存して
いるのは「シンガポール共和国」・・等)
第五章:植民地に戻った国(ローデンシア等)
第六章:ソ連崩壊で生まれた国(クリミア共和国・ガガウズ共和国・チェチェン等)
第七章:ソマリア崩壊で生まれた国(南西ソマリア等)
第八章:国家連合(フランス共同体・アラブ連邦等)
第九章:首長国・士候国・藩王国(インドの藩王国・パキスタンの藩王国等)
第十章:保護国・準独立国(シッキム王国・南アラビア連邦等)
第十一章:いわゆる傀儡国(東トルキスタン共和国・インドネシア連邦の傀儡国家群・キレナイカ・
南アフリカのホームランドの国々等)
第十二章:いわゆる独立勢力(朝鮮人民共和国・東ティモール民主共和国・ナガランド連邦等)
第十三章:作り損ねた国々(アトランティス←暗礁に人工島を作ろうとしたけどサンゴ礁を破壊した為中止
など、人工島を作って建国しようとした例がいくつか)

と、各章のタイトルを見てわかる通り、消滅・崩壊の理由はいろいろ。
独立宣言したけど、すぐ鎮圧されたり、他の国に合併される為に一度独立したり、
いくつかの国で連邦国家を作ってみたが上手くいかなかったり、
独立したけど希望して植民地に戻ったり(国マニアにも載ってたけど、そういう国はいくつかあった)、
傀儡政権で崩壊したり、王国だったのが、王政が廃止になったり・・・。

現在「リアル北斗の拳状態」と本書でも紹介されているし、その状態が有名な「ソマリア」などは、
小さい国ができては消滅・崩壊を繰り返しているのがよくわかるし、
他に、穏やかに解体したチェコ・スロバキアと、コソボ紛争など泥沼の戦いになった
元ユーゴスラビアなどの話しも興味深かった。
チェコ・スロバキアは、あまりにあっさり解体したので、ついつい解体してしまったのを忘れ、
まだ「チェコ・スロバキア」があるような気持ちになってしまう。

「国マニア」でも思ったけど、「国が国として維持できている」というのは、
ある意味不思議な事、すごい事でもあるんだなーと改めて認識したし、
日本は単一民族国家(ちょっと語弊があるけど一応)なので、民族紛争で、国土を分断する・・という
事自体にあまりピンと来ないけど、多くの国がそういう問題を抱えているのもわかる。

また国と国の駆け引きというのは、公正で正義が勝つなんてものじゃなく、強いもの、
影響力があるものが有利に事を進め、弱い国、小さい国は、そういう国をどう手玉にとるかが重要
なんてことも伝わってくる。

世界は殺伐としていると感じる話が多いけど・・・でもその中には、竹槍で独立を果たしたり、
占領しに攻めてきた他の国の軍を大歓迎で迎えたり、どちらの名前を先にするかで
崩壊してしまったり(チェコ・スロバキア)と、笑えるエピソードがあったりもする。

ただ、扱っている国が183ヶ国と膨大な上、、事情が複雑な国はそれなりにページを割いているけど、
情報量がとにかく多く、しっかり読み込まないと、状況を把握できない国も。
後半、かなり読み飛ばしてしまった(図書館の返却期限に間に合いそうもなかったので(^^;))。
ページ数も700ページを超えているので、読むなら、じっくり腰を据えてがお勧め。

「国マニア」は、サクサク読めて、いろいろな国のことがわかるので、まだ読んでいない人は、
こちらの方がお勧め(^-^)ノ。
国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ! (ちくま文庫)」文庫で出てます♪
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コメント 2

コステロ

中近東とかアフリカとか東南アジアとかその辺の地域、
要するに発展途上の地域で国家が勃興瓦解するのは解るんですが、
「先進国」がなくなると言うのはスゴイですよね。

ドイツの場合「東西統一」ですからまぁいいとして、
ソ連がなくなっちゃった、ってのはオドロキで、
「歴史の変わり目に生きたんだなぁ」と言う気がしましたね。
by コステロ (2013-02-27 09:52) 

choko

コステロさん

「ソ連」が先進国ってのも、違和感が。
形だけ先進国なイメージがあるので(というか、「先進国」である
というイメージをソ連自体が作っていた)、「先進国が崩壊」とは
言えない気もします。

確かに、ソ連崩壊はかなりびっくりでしたけどね(^^;)。
東西ドイツ統一も、あれよあれよでびっくりでしたが。
その発端が、官僚の言い間違いだったというのも、これまたびっくり(笑)。
by choko (2013-02-27 23:21) 

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