「あるこーる白書」吾妻ひでおと西原理恵子による、アル中対談本。「アル中は病気!」と真面目に訴えている本でもある。 [本ノンフィクションいろいろ]
8点
アルコール中毒で、入院、失踪、浮浪者生活までした吾妻ひでおと、
アル中であった夫鴨志田氏と離婚、その後鴨志田氏が末期がんとわかり、
和解し、最後を家族で看取った西原理恵子の対談集。
実際は2人ではなく、もう一人「月乃光司」という人が加わっており、3人の対談なんですが、
吾妻ひでおの「失踪日記」(リンク先感想)と西原理恵子の「毎日かあさん」
(リンク先9巻の感想)を読んでいれば、すごく面白く読める一冊。
2人の本来の舞台である「マンガ」ではなく、対談で語られるアルコール依存症の現実は、
マンガのネタとして使えなかったのがわかる、かなり重く苦しい内容、真面目な内容が多く、
また詳細まで語られていることも多く、アルコール中毒の症状や治療、病院の様子(入退院を
繰り返す人も多いとか)、他のアルコール依存症患者などについても語られているので、
アルコール依存症に関して、より詳しくわかる内容になっている。
西原理恵子が離婚直前、アル中である鴨志田氏の精神的DVにより心を病んでいた
ことなども語られるし、鴨志田氏のアルコール依存症での問題行動や、和解してからの事、
鴨志田氏のアルコール依存症の治療経過などが、マンガより詳しく書いてあるので、
とても興味深かった。
「失踪日記」「毎日かあさん」の裏側がわかるのと同時に、
「アルコール中毒は本人が自堕落なのではなく、病気である」という言葉が、
何度も繰り返されていたりと、アルコール中毒の現実を、世間に知ってもらおうという、
アルコール中毒啓蒙本にもなっている。
自分は大丈夫だと思っていても、その前段階(黄信号)であり、日本人では数百万人はいるという
「プレ・アルコホリズム」の判断基準、アルコール依存症の完治率、
治ったと思っても、たった一口、場合によっては「酒蒸し」など、料理に入っているお酒でも
再発してしまう可能性があるという現実、知らなかったアルコール依存症の姿がよくわかる。
お酒を飲むためなら、なんでもする心理になってしまう「アルコール依存症」。
アルコール依存症であった吾妻ひでおや月乃光司本人が、アルコール依存症時の、
「普通ではない心理状態」を語っている。
そして、本人だけでなく、周囲をも不幸にするアルコール依存症の怖さ。
アルコール中毒患者の周囲には、本人を助けるつもりで助長者(イネーブラー)になって
しまう人が多いという。
アルコール依存者の家族が、依存者が暴れた酒屋や迷惑をかけたところに謝りに行ったり、
弁償したりする、汚物まみれで失禁している依存者を介抱してあげる・・・
家族なら誰でもやってしまうことだが、依存者の尻拭いをしてあげる、
これが、アルコール依存症患者をつくりだしてしまう、
より酷いアルコール中毒にしてしまう・・・・という現実。
その上、本人は、「自分の意志ではどうにもならない病気」な状態なわけで、
それに振り回されつつ、それを助長してしまう立場にも立つ家族の辛さ・・・
そういうものも伝わってくる。
「失踪日記」「毎日かあさん」が好きな方にお勧め(^-^)ノ。
できれば両方、少なくても一方は読んでる人に。
アルコール中毒で、入院、失踪、浮浪者生活までした吾妻ひでおと、
アル中であった夫鴨志田氏と離婚、その後鴨志田氏が末期がんとわかり、
和解し、最後を家族で看取った西原理恵子の対談集。
実際は2人ではなく、もう一人「月乃光司」という人が加わっており、3人の対談なんですが、
吾妻ひでおの「失踪日記」(リンク先感想)と西原理恵子の「毎日かあさん」
(リンク先9巻の感想)を読んでいれば、すごく面白く読める一冊。
2人の本来の舞台である「マンガ」ではなく、対談で語られるアルコール依存症の現実は、
マンガのネタとして使えなかったのがわかる、かなり重く苦しい内容、真面目な内容が多く、
また詳細まで語られていることも多く、アルコール中毒の症状や治療、病院の様子(入退院を
繰り返す人も多いとか)、他のアルコール依存症患者などについても語られているので、
アルコール依存症に関して、より詳しくわかる内容になっている。
西原理恵子が離婚直前、アル中である鴨志田氏の精神的DVにより心を病んでいた
ことなども語られるし、鴨志田氏のアルコール依存症での問題行動や、和解してからの事、
鴨志田氏のアルコール依存症の治療経過などが、マンガより詳しく書いてあるので、
とても興味深かった。
「失踪日記」「毎日かあさん」の裏側がわかるのと同時に、
「アルコール中毒は本人が自堕落なのではなく、病気である」という言葉が、
何度も繰り返されていたりと、アルコール中毒の現実を、世間に知ってもらおうという、
アルコール中毒啓蒙本にもなっている。
自分は大丈夫だと思っていても、その前段階(黄信号)であり、日本人では数百万人はいるという
「プレ・アルコホリズム」の判断基準、アルコール依存症の完治率、
治ったと思っても、たった一口、場合によっては「酒蒸し」など、料理に入っているお酒でも
再発してしまう可能性があるという現実、知らなかったアルコール依存症の姿がよくわかる。
お酒を飲むためなら、なんでもする心理になってしまう「アルコール依存症」。
アルコール依存症であった吾妻ひでおや月乃光司本人が、アルコール依存症時の、
「普通ではない心理状態」を語っている。
そして、本人だけでなく、周囲をも不幸にするアルコール依存症の怖さ。
アルコール中毒患者の周囲には、本人を助けるつもりで助長者(イネーブラー)になって
しまう人が多いという。
アルコール依存者の家族が、依存者が暴れた酒屋や迷惑をかけたところに謝りに行ったり、
弁償したりする、汚物まみれで失禁している依存者を介抱してあげる・・・
家族なら誰でもやってしまうことだが、依存者の尻拭いをしてあげる、
これが、アルコール依存症患者をつくりだしてしまう、
より酷いアルコール中毒にしてしまう・・・・という現実。
その上、本人は、「自分の意志ではどうにもならない病気」な状態なわけで、
それに振り回されつつ、それを助長してしまう立場にも立つ家族の辛さ・・・
そういうものも伝わってくる。
「失踪日記」「毎日かあさん」が好きな方にお勧め(^-^)ノ。
できれば両方、少なくても一方は読んでる人に。
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