「K2-嵐の夏」「エヴェレストより高い山」「山頂に立つ」etc・・ [本ノンフィクション:冒険・登山、遭難]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2003/11
- メディア: 文庫 7点
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「零下51度からの生還 エヴェレストの悲劇――死の淵から蘇った男」を読んでから、しばらく登山本、遭難本をいくつか読み漁っていた私(^^;)。どうも同じジャンルの本をダラダラ読む傾向があるらしい。
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「K2嵐の夏 」は、 1983年、K2を登頂を目指した世界有数の登山家達が次々に命を落とす中、生還したクルト・ディームベルガーによる手記である。ディームベルガーがBCにいる最中から事故が相次ぎ、不吉な影が見え隠れしていたその夏、登頂に成功したいくつものパーティが嵐で、山頂近くのキャンプの閉じ込められてしまう。
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極限状態の中、次々に命を落とす登山家達。精力的に他の人を介抱していた人が、最後には衰弱し錯乱してしまったり、嵐の中を生き延びたのに下山の途中死んでしまったり、極限の中の人間ドラマが描かれている。読み応えのある一冊。
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「エヴェレストより高い山―登山をめぐる12の話」は、ジョン・クラカワーによる、自分の体験も交えた登山エッセイ集で、著者自身の登山手記や、ロッククライミングに関するあれこれ、アクの強い登山家達の話など、今まで知らなかった事がいろいろ取り上げてあり、かなり面白く読めた一冊。
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遭難本は悲壮すぎて苦手・・・という人でも楽しめる登山関係のエッセイ本。
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「山頂に立つ―登山家たちのサバイバル」「われ生還す―登山家たちのサバイバル 」は、いろいろな登山本の名シーンを集めた本。
短編なら全編載っているが、長い本の場合、クライマックス部分が掲載されている。
クライマックスシーンが多いので、飽きずにぐいぐい読めるが、本一冊の中から一部抜粋だったりするので、状況や登場人物などの説明がほとんどなく、詳細はわからないという面も。
「山頂に立つ」の最後に載っているマッキンリーでの遭難の話などは、その後が気になるのだが、オリジナルが見つからないし・・・(>_<)翻訳されてないのか?
一番面白かったのは「われ生還す」の方に載っている、純粋な登山話ではない、インドのナンダ・デヴィという山に向かう為、盆地を抜けるルートを探し探検する話だった。
「リーダーは何をしていたか」は、日本国内で起きた遭難の中から、リーダーの力量不足で起きたと思われる遭難事件をピックアップし、その詳細や事件後の顛末をまとめた本である。
この本で取り上げられている遭難の中には、リーダーが教師、犠牲者が生徒達という痛ましいものがいくつもある。
教師の力量を信じて、子どもを雪山に送り出し、リーダーである教師の未熟さや無知さにより子供達を失った親達の気持ちを考えるといたたまれない気持ちになる。
その上、学校側が最後までその責任を認めないケースも多く、この本の作者は、幾つかの学校側と保護者側との裁判で、いかに引率教師が未熟であったかを説明している。
安易な気持ちでの登山を戒める本でもあった。
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