「山の遭難-あなたの山登りは大丈夫か」羽根田治著:高尾山に登る程度でも読むべきかも [本ノンフィクション:冒険・登山、遭難]
7.5点
日本国内での数々の遭難事故-死亡者が出たものだけでなく、単なる道迷いも-を検証しながら、
山に登る人の心得について述べた本。
山登りらしい山登りはしたことがないけど、高尾山には登ったことがあります。
特に何を用意するでもなく、ピクニック気分で。
でも、この本を読むと、どんな低い山であろうが危険であり、
レジャー気分で登ってはいけないというのがわかる。
平地で転んだら膝をすりむく程度でも、山道で転べば大怪我をしたり、
滑落し、死亡事故につながったりする。
急病になっても、すぐ救急車は来てくれない。
それを認識せず、体調が悪いのに山に登って具合が悪くなったりという例が後を絶たないという。
山登りは健康の為と登る人がいるが、危険と隣合わせの山登りは、
日頃、運動し体調を整えている人が登るべきだとも著者は述べている。
最近は、安易にヘリコプターや警察に救助を求める人も多いという
(最近問題になっている救急車をタクシー替わりにと同じ)。
その弊害、それらの安易な要請により多額の税金が使われている事なども、
これを読んで知るべきだと思った。
また、救助を求める際の心得などについても述べられている。
山登り(とまでも言えない低い山でも)のちょっとした油断が、命に関わる事、
多くの人に迷惑をかけることになることが、様々な実例をあげて述べてある。
著者自身も、自分の甘さから大変な状況に陥った体験談を語っている。
実例自体は、どれも短くかいつまんで語られているが、その分件数が多く、
「あっ、こういう状況は自分もなるかも」と思える部分も。
どんな低い山でも、山に登る人なら、一度は読んでおくべき本だと思った。
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