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「失踪日記2 アル中病棟」吾妻ひでお著:ついに出た「失踪日記」の続編V(≧∇≦)V!今回も面白い! [本:コミックエッセイ]

失踪日記2 アル中病棟

失踪日記2 アル中病棟

  • 作者: 吾妻ひでお
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2013/10/06
  • メディア: コミック

8.5点

失踪、浮浪者生活、素性を隠して住み込みで肉体労働、アル中強制入院・・・・
著者吾妻ひでおのあまりにもすごい体験(でも、冷めた視点で淡々と描いている)盛りだくさんだった
失踪日記」(リンク先感想・傑作!)の発売から8年。
ついについに「失踪日記2」が出ました!

テーマは「アル中病棟」。
8年間、締め切りもなく書き溜めたというこのコミックエッセイ、ギューっと濃縮されたような内容で、
分厚くて読み応えも満点!

相変わらず描く視点は冷めており、自分のことも、他人のことも、客観的な感じで、
淡々と描いている。

例えば入院までの流れ。
連続飲酒(一日中途切れなく飲んでいる)状態に入り、少しでもアルコールが切れると、
幻聴が聞こえ恐れおののき、自分の思考する「恐ろしい」という言葉にすら恐怖する日々。
その内、アルコールが入っていても聞こえる幻聴、少しでもアルコールが切れると起きる、
イライラ、手の震えなどの禁断症状、そして夜中に突然わめきまくったり、自殺未遂も。
ある日、妻と息子にタクシーに乗せられ、病院へ。
入院を拒否するが拘束され、強制入院・・・。
それらの内容が5ページほどで書かれていたりする←とにかく内容が濃い。
吾妻ひでお本人の気持ちは、少しだけ書かれているが、家族や病院関係者は、
必要な時に登場するだけ。

が、事実を凝縮して淡々と描くことで、本来なら辛くて重くてドロドロしたエピソード満載に
なりがちな状況を避け、ある意味自堕落な人間も多い、アル中病棟の入院患者達に対し、
拒否感を持たせず、「個性のある1人」と受け入れられる内容、1人1人、
みないろいろな人生がある・・と思える内容にもなっている。

もちろん、アルコール依存症になる理由、アルコール中毒の症状、治療方法、
アル中病棟の日常、断酒のためのコミュニティ・その内容・・・・etc、
とアルコール中毒に関して、詳しくわかる内容にもなっている。

アルコール中毒に一度なると、何年断酒していても、一口のアルコールで元の木阿弥。
スリップ(再飲酒)率が70%~90%と高いのも、そのせいもあるだろう。
吾妻ひでおの、断酒後半年・1年ほど経ってから起きた、壮絶な「飲酒欲求」エピソードに関しては、
よく飲まなかったなぁと、本当に感心←自分なら絶対負けそう。

女王様な修道女、アル中仲間に人望があり人気者の男性、自分の足で「入院させて下さい」と
入院した若くてハンサムな28歳、寸借詐欺を繰り返し寝ている最中部屋の何処かに小便・・・
アル中以前にいろいろ壊れている男、断酒会に現れ友達がいない寂しいと歌う酔っぱらいのホームレス、
・・・個性的なキャラクターも満載。

まだ読んでいない人は、是非一冊目「失踪日記」から(^-^)ノ。
「失踪日記」が面白かった方は、こちらもどうぞ♪
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コメント 2

ちょび

「失踪日記」は面白かったです。2もでるよ!って教えてもらってから、気になってるんですけど、まだ手にしてないです。

アルコール中毒は、身近でははっきりそう、という人はいないんですが、父は知人にいたらしく、子供のころから「アルコール中毒の人とだけは一緒になってはいけない」「周りでどうもできない」って言い含められてました。
あと、「付き合う前に何回も飲みにいけよ」って(笑)
by ちょび (2013-10-21 13:34) 

choko

ちょびさん

「失踪日記」衝撃的な内容も多くて(吾妻ひでお、浮浪者に
なったりしてたのかぁぁぁΣ( ̄ロ ̄lll)!とか)、
面白かったですよね~!

「失踪日記2」も、締め切り無しで、とにかく書きためてた内容ってことで、
すっごく内容が濃いし、書き込まれてるし、面白いです!!

「アルコール中毒」は、周囲も地獄に巻き込むって、
西原理恵子だったかも言ってた気がします。
タバコより害があると。
個人の自由を尊重する北欧でもアルコール(他ドラッグも)中毒は、
かなり問題になっているそう。

「アルコール中毒」って、問題はその時アルコール中毒じゃないくても、何かのきっかけでなってしまうって事ですよね・・・。
ストレス耐性が弱い人はなりやすいらしいですが、
ストレスの多い世の中ですしね~(^^;)。

この作品、ノンフィクションの上、追跡調査などはやってないので、
「女王様な修道女」がなぜアル中になってしまったのか、
読後も気になりました。
by choko (2013-10-21 15:40) 

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