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「シャイニング」、映画(キューブリック監督)、原作(スティーブン・キング著)を観た、読んだ! [映画:ホラー・サスペンス]


シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2012/05/22
  • メディア: DVD
8.5点

シャイニング〈上〉 (文春文庫)

シャイニング〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: スティーヴン キング
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/08/05
  • メディア: 文庫


シャイニング〈下〉 (文春文庫)

シャイニング〈下〉 (文春文庫)

  • 作者: スティーヴン キング
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/08/05
  • メディア: 文庫
7.5点

シャイニングの続編「ドクタースリープ」(リンク先感想)を読んだのを機会に、キューブリック監督作品、
映画「シャイニング」を観返すと共に、未読だったスティーブン・キング著の原作「シャイニング」を
読みました♪

映画「シャイニング」が、あまりに原作と違うので、キングが激怒・酷評したというのは
知っていたので、どんだけ違うのかな?という興味もあったし。

「映画」「原作」とも、おおまかな粗筋はほぼ同じ。

雪深く、冬期には数ヶ月もの間雪に閉ざされてしまう山の上にある「オーバールックホテル」。
そこに、小説家志望のジャックとその妻ウェンディ、そして息子のダニーの3人が、
冬の間の管理人として、住み込むことに。
以前、ジャックと同じ冬期管理人が、娘2人と妻を惨殺し、自殺したという陰惨な過去がある
いわくつきのホテル。
ジャックは、この閉鎖された空間こそ、未完成の戯曲を完成させるのにうってつけの環境と喜ぶ。
しかし、特別な能力「シャイニング」を持つダニーは、ホテルで恐ろしい経験をする・・。
そして、ジャックは、徐々にホテルの持つ邪悪な力に取り込まれていってしまう・・・。

ダニーが遭遇する恐怖体験とか、ウェンディの性格とか、いろいろ違う部分はあるけど、
一番違うのは、父親ジャックの扱い。

原作のジャックは、ダニーを大事に思う気持ちも強く、アルコール依存症から立ち直ろうと努力し、
ホテルの邪悪な力に取り込まれまいと、必死で抵抗しようとするが、結局取り込まれてしまう。

対して、映画のジャックは、ホテルに行く前から、狂気がつきまとってる感じが大!
元々あった焦燥感や鬱屈したものが、閉鎖された空間で、熟成され、狂気となって噴出した・・・
って感じで、オカルト要素がなくても「人間の狂気」だけでも、話が成り立つ気が。
一応、ホテルの邪悪な力が働きかけてるシーンはあるけど、「ジャックの妄想」で、
一部を覗いて、片付いちゃうかんじ。
原作の方は、明らかに「オカルト要素」がなければ起きなかった事件。

いやー、とにかく、両方観て、読んで

ジャック(ニコルソン)、怖~(゚_゚i)!
ってのが一番思ったこと。

父親役のジャック・ニコルソン、パッケージに使われてる、破壊したドアから覗き込む顔も怖いけど、
実は、普通に笑ってても怖い(^_^;)。
そして、母親ウェンディの、おどおどした態度がまた、ジャックの怖さ倍増。
wikiによると、キューブリックは、ウェンディ役のシェリーに、撮影現場で意図して厳しくあたったとか。
その試みは成功してると実感できるほど、ウェンディの追い詰められたような表情や動作は
映画の恐怖感に大きく貢献してます。

また映画の映像美がすばらしい!!
ホテルのロビー、各フロア(ダニーが三輪車でホテル内をうろうろしてる時の不安感とか)、
外の迷路、バー・・・・・印象に残るシーンがいっぱい!
原作を読んでる時、同じシーンでも、描かれてる背景が違う場合、映画の方の、
圧倒的な映像美が原作が紡ぎ出そうとしているイメージを喰っちゃうことが何度か。

オープニング、壮大な自然の中を疾走する車が延々と映しだされ時流される曲が、
ベルリオーズの「幻想交響曲」第五楽章なのも良かった←好きな曲なんだけど、最初に観た時は、
この曲は知らなかった。

長い小説を細部までしっかり描こうとすると、凡庸になりがちなところ、切るところはばさっと切って
まとめあげたキューブリック監督の手腕にも感服。

ということで、両方観て、読んで、「シャイニングの映画、やっぱりすごい!」と改めて思う結果に。

でも、ダニーに「シャイニング」のことを教えた、少しだけ「シャイニング」を持つ料理長ハロランに
関しては、原作「シャイニング」「ドクタースリープ」共に重要な役回りなのにも関わらず、
映画では、それほど活躍していないので、「ドクタースリープ」を読むなら、原作を読んでいた方が、
ハロランへの思い入れも違い、より楽しめるようになる気がします♪
原作では、アルコール依存症から立ち直る事の困難さや、家庭内暴力、
それに関する親からの負の連鎖など、「家庭の問題」についても、かなり言及しているので、
映画とは、一味も二味も違ったシャイニングが体験できるし、
オーバールックホテルの持つ、陰惨な歴史などについての、細かい言及があるのも楽しかった♪

まぁ、一番印象に残るのは、やっぱり「ジャック(ニコルソン)の狂気の笑顔」なんですけど(^_^;)。

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コメント 2

コステロ

キングが激怒・酷評したのは、
やっぱり嫉妬心みたいなものもあったからでしょうね。
映画の出来がそこそこどまりだったら、きっとスルーしていたと思います。
実際、キング原作で、すっとこどっこいな映画ありますからね。
『バトルランナー』とかね(笑

ちなみに、キング自身が総指揮を執った
TV版のシャイニングもあるみたいですよ。
そちらの方も結構評判はいいようです。
この際ですからそちらの方も観て、3種類制覇してみては?
by コステロ (2015-12-01 10:51) 

choko

コステロさん

いや、キングが怒ったのは、原作「シャイニング」のコアが、
家族愛、アルコール依存症からの脱却、家庭内DV・・・
など、家族のつながりに関するものだったのに、
そこがすっぱりと無くなってる事じゃないかと思います。
特にキング自身がアルコール依存で、その脱却体験に
基づいて書いたらしいので(かなり詳細に描写されてます)、
思い入れも強かったんじゃないかと。

キング監修のテレビ版、あるのは知ってるんですが、
さすがにTV版を見るのはたるいです(^_^;)。
by choko (2015-12-03 08:35) 

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