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「英国一家日本を食べる」マイケル・ブース著: [本ノンフィクションいろいろ]

英国一家、日本を食べる(亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)

英国一家、日本を食べる(亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)

  • 作者: マイケル・ブース
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2013/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

7.3点

イギリスのフードライターと、その家族による日本食べ歩き紀行。

著者はフードライターだけあって、食に関する造詣は深い。
テレビでも有名な服部幸應や、関西での料理学校のトップ辻芳樹との対談は(それぞれの
調理師専門学校見学の話もある)、日本食の歴史や今に関して考察していて、面白い。
あまりに身近で、自分が知らなかった「日本食」について知ることもできたりした。

でも、そう思える部分もあれば、単なる旅行記的な部分もあったり、
相撲部屋見学+ちゃんこ、ビストロSMAPの収録現場見学など、「日本を全く知らない
外国人の感想」という内容も。

食べ歩きの場所は、新宿のガード下、極上の天ぷら屋、北海道、九州、沖縄、大阪などで、
「食べ歩き+旅行記+食文化比較・考察+家族の話」などが、入り混じっているせいか、
紹介されている食べ物の数は思ったより多くは無かった。

もっと詳しく食について読みたかった・・・という物足りなさ(特に地方の食文化に関しては)が
あったけど、軽く読めるので、これぐらいが良かったのかと思ったり。

でも、日本の食文化について再考察できる部分もあり、なかなか楽しめた一冊。
2冊目も出ているので、その内読もうと思います♪←図書館に予約してるのでいつになるやら(^^;)。


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「アオイホノオ」(島本和彦著)12巻発売!そしてドラマ化ぁぁぁぁヽ(lll゚Д゚)ノ! [本:コミック]

アオイホノオ 12 (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ 12 (少年サンデーコミックススペシャル)

  • 作者: 小学館
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/07/11
  • メディア: コミック


島本和彦の自伝的マンガとも言われる「アオイホノオ」の12巻発売!
11巻の感想はこちら

今回は、Daicon3を見て衝撃を受ける話と、うる星やつらアニメ化により、
高橋留美子に対して対抗意識を燃やす話等。
うる星やつらのアニメに金田伊功の動きが持ち込まれるんじゃないかと、恐れおののく焔が笑えます。

徐々に漫画家に向かって前進しているように見えるけど、若者らしい思考により、
勝手に後退してたりもします。

今回も笑わせてもらいましたが、今回一番衝撃だったのは、帯にあった「アオイホノオ」ドラマ化
「庵野ヒデアキ」「岡田トシオ」など、実在の人物と同じ名前の登場人物もちゃんと出てる!

焔をめぐる話より、Daicon絡みの話が見たいな~(^^;)。

帯にある焔のセリフ
「アニメ化はいいがドラマ化は・・・・だいたい原作通りにならない!」
にならないといいんですが(^^;)。

2014年7月18日スタートだそう。
あらら、1話目見逃した(^^;)。

※追記:いやー、「アオイホノオ」のドラマすごいです!面白い!
感想はこちら
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「『老年症候群』の診察室」大蔵暢著:老人ホームの医者の体験談。老後を考えるためのすごく良い指南書! [本ノンフィクションいろいろ]

「老年症候群」の診察室 超高齢社会を生きる (朝日選書)

「老年症候群」の診察室 超高齢社会を生きる (朝日選書)

  • 作者: 大蔵 暢
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/08/09
  • メディア: 単行本
8点

老人ホームでチーム医療に取り組む著者による、歳をとると体が若い頃とどう変わるのか、
治療もどう変えていく必要があるのか、そういう視点で、高齢者の病気や、高齢者を悩ます
様々な症状などと、自分の行った対処について、わかりやすく語られている本。

最初の章は「虚弱高齢者」について。
この章を読むだけでも、歳をとることによる体の変化がよくわかる。

長い年月をかけて、体全体が衰えていく。
当たり前の事だけど、なかなかそれをしっかり認識できない。

古くなってあちこちにガタが来た自動車は、様々な部品が劣化し、故障したりする。
あそこを直しても、次が・・・とまた壊れ、最後には買い直した方がよくなってしまう。
元の状態には戻れない。
人間の体も同じで、20代~30代をピークに、全身が弱っていく。
内蔵移植などで部分的なパーツを交換できたとしても、他の部分への負担も大きいし、
全身を交換することは、もちろん不可能(「999」の機械の体でもあれば別だけど)。

もともと弱っている体に、様々病気、そして多くの薬、副作用、不快な症状やそれに伴うストレス、
体が弱ったことによる転倒などの事故、そして老いたことに対してのストレス・・・
いろいろな要因が絡まり、高齢者は「虚弱化」していくという。
それも、入院、怪我、近親者の死などの大きな要因があると、急激に虚弱化が進んだりするという。

「虚弱化」した高齢者には、いろいろなトラブルが起きる。
例えば、あちこち調子が悪くなり、いろいろな病院にかかる。
薬をいろいろもらう。
しかし、虚弱化した高齢者は、薬の副作用も出やすいという。
めまい、食欲不振、頭痛、倦怠感・・・・etc。
いくつもの薬を飲んでいると、それが病気由来の症状なのか、薬の副作用なのか、
医者ですら判断が難しくなるという。

それぞれの症状を治そうとして、いくつもの病院にかかった結果、医療による恩恵より、
弊害のほうが大きくなっている高齢者も、多いという。
また、複数の医者がそれぞれ自分の専門だけを担当しているため、
その高齢者を責任をもって総括してみている医者がいない・・という状態にもなっているという。

また85歳以上の高齢者の場合、一度失った日常生活機能を回復するのは、ほぼ不可能だという。
かなり虚弱化が進んだ80代~90代の母親に、もっとリハビリをさせてまた歩けるようになって
欲しいと望む子供。
でも、虚弱化が進み、残りの人生が短いと思える場合、「また歩けるように頑張りましょう」と
心地良い言葉を盾に、無理にリハビリをするより、残り少ない余命をいかに幸せに過ごせるかを、
考えた方がよいと著者は考える。

20代では、ほとんど差が無い健康状態。
40代になると、持病を抱えていたり、若干の差がではじめる。
この年代くらいから、運動不足とか、栄養の偏りとか、それまでは、放置してても大丈夫
だった体に悪い事の影響が顕著に出始める気がする。
そして高齢者になると、同じ年代でも、元気で庭仕事ができる人がいるかと思えば、
ベッドから自力で起き上がれない人もいる。
加齢により、健康状態は多様化する、だからその人に合わせた治療が大切だと著者は、
本書の中で何度も繰り返している。

病気など医学的な側面だけでなく、脳の機能(認知症等)、精神面(うつ症状←老人性鬱病は、
かなり多いらしい)、日常生活自立度、転倒などの危険度、居住状態、家族や家計など、
高齢者の置かれた立場を包括的に見る「包括的高齢者評価」が大切だと著者はいう。

著者は、老人ホームに入居してきた高齢者の、パーソナルヒストリーを傾聴し、
介護士、看護師、リハビリ療法士など、その高齢者を担当する、様々な立場のスタッフを集め、
定期的にミーティングをしているという。

また、後半の章で触れられているけど、高齢者の入院リスクについて触れられている。
著者の担当している老人ホームは、かなりの医療設備が整っている。
それでも、ちゃんとした病院に入院したほうが、経過観察もより細かく行って貰えるし、
しっかり治療もしてもらえる。
しかし、入院によりせん妄がおき、それによる事故、虚弱化や認知症が一挙に進むリスクも、
かなりあるという。
治療するための入院が、急激に高齢者の状態を悪化させる、入院前は歩けていたのに、
寝たきりになったり、認知症が発症する
ホームや在宅で治療するリスクと、入院するリスク・・・高齢者には、様々なリスクがつきまとう。

また虚弱高齢者は、入院などで筋力などが衰えると、入院前の状態まで回復させることは
困難であり、入院のたびに、体が衰えていく可能性があることなどについても書かれている。

医者も加わった「包括的高齢者評価」の元、ケアをして貰えるというのは、かなり恵まれた
状況だと思う。
本来、すべての高齢者がこういうケアを受けられることが望ましいんだろうけど、
現状ではコスト面で難しい気がする。
著者が担当している老人ホームを調べたけど、入居に2000万、それプラス月30万ほどかかる。
私が知っている、近隣の老人ホームで、これくらいのケアをして貰えそうだと思うところも、
ほぼ同じ料金だった。

逆に言えば、サービスは無料ではないので、安価にこのようなサービスを提供しようとすると、
今でも赤字で問題になっている公的な介護費は、数倍に跳ね上がるだろう。
もしくは、安い給料で人を働かせる状態に拍車がかかるか。

実際、上記の料金にプラス、公的な介護費用が1人に付き月10万~50万ほど、
その高齢者の病気によって、医療保険もかなりの額が使われているのを考えると、
一人のケアに膨大な金額がかかっているとも言える。

お金が全てでは無いけれど、お金があれば、高齢になった時の問題の対処に関して、
かなり充実させることはできるんだなーという、厳しい現実も見える(^^;)。

第二章は本のタイトルにもなっている「老年症候群」について。
加齢による身体の衰えにより、様々な体の不調がでてくることを書いている。

例えば、入院した高齢者が起こしやすい「せん妄」。
これは、入院などで精神的混乱が起き、行動がおかしくなったり、
現状をしっかり把握できなくなること。
若い人ではめったに起きないが、高齢者ではよく起きるという。
それは「脳が衰えている」からだ。
実際、義父が簡単な手術で数日間の入院をした時、麻酔から覚めて、翌日くらいまで、
実の娘のことがわからなくなったり、入院したことがわからなかったり、トンチンカンなことを
言ったりせん妄に陥った。
この本で、せん妄を起こすということは、認知症やパーキンソン病、目が見えにくい、
耳が遠いなど、体が老化している複合的な結果だと言っている。
入院した時、義父は体はとても丈夫で、内臓疾患もなし、しかし入院した翌年くらいには、
アルツハイマー初期の診断が出たので、やっぱり脳の衰えがあったんだなと、思ったりした。

認知症ケアに関する話で、入浴を拒否するようになった入居者を4ヶ月ぶりに入浴させる事に
成功した話が載っていた。
子供と違って、叱ったりできない。
無理にやろうとすると暴れたりする。
本書にも書いて有るけど、認知症ケアは定石が無く、気を長く持って、
試行錯誤を繰り返すしか無いんだと思った。

また、高齢者がかかりやすいのが「老年期ウツ」で、初期症状が認知症と似ているため、
専門医でもなかなか判断がつかず、投薬の効果で確認するしかなかったり、
認知症とうつを併発していたり・・と、診断も難しいし、これも認知症と同じように、
いろいろな弊害がある。

友人の祖母が老年期うつにかかった時の話を聞いたら、その行動はまるでアルツハイマーの
認知症患者のようでした。
その後、入院して回復したらしいので、本当にウツだったんだと思ったり(アルツハイマーは
回復はしないので)。

また高齢者になれば、転倒しやすくなり、これもまた老年症候群と書いてある。
転倒で骨折し、それが原因で寝たきりになる人は多い。
転倒→回復→しかし体が衰えているのでより転倒しやすくなる→転倒→もっと体が衰えて・・と、
転倒で体が衰えると、それが次の転倒につながり・・というケースはよくある。
アメリカには「転倒」の専門家がいるほど、高齢者医療では重視されている項目だそうだ。
また転倒の危険因子には、高齢者が飲んでいる様々な薬の副作用も入っているという。

また、認知症のある高齢者の場合、自分が転倒しやすいという認識が無いため、
短期間に転倒・骨折を繰り返し、あっという間に寝たきりに・・・というのも聞く。
著者も、認知症のある虚弱高齢者の転倒リスクへの介入に関しては、
今のところ絶望的だと述べています。

この辺、病院や施設でも悩みどころなようで、認知症があり動ける高齢者が勝手に動いてしまい、
転倒骨折し、家族から訴えられるというケースも多いよう。
病院などでは、それを防ぐため、そういう危険があると拘束するケースも多いし、
認知症でなくても、転倒の危険がある場合、ベッドから一歩足りとも降りることを
禁止するところも多いよう。
虚弱高齢者で、自分で動ける人の転倒を防ぐめには24時間目を離さないしか無いと思うので、
不可能と言えば不可能だし。

たくさんの薬をもらうことにより弊害についても、いろいろなケースで語られていて参考になる。
ある症状を抑えるための薬の副作用でめまいが起き、めまいを抑える薬で・・・・etc、
いろいろな副作用で全身状態がよくなく、不活発になり、より虚弱化が進行する・・、
1人の医者ではなく、それぞれの専門医にかかった場合、そういうことが起こりやすいという。

尿漏れなどを防ぐ薬には、神経系の動きを阻害する効果もあるという。
日々、部屋にこもりぼーっと過ごしていた高齢者の女性は、尿漏れを受け入れ、
紙パンツにすることにし、薬をやめた途端、ホームのレクリエーションに活発に参加し、
毎日を生き生きと過ごせるようになったという例なども載っている。

他にも最近何かと話題になる「胃ろう」、施設での看取り、悪い事(病気・近親者の死等)を
高齢者に告知すべきか、延命治療をして欲しいかなど、終末期の決定と家族とそれを
話し合うことの重要さなども述べられている。

骨の健康では「理想か現実か」という副題で、高齢者と薬の問題の難しさが語られている。
効果のある骨粗しょう症の薬。
現在はメインの薬は2種類ほどあるが、片方は飲む手順が煩雑で
(起床直後に、180ccの水と一緒に飲み、その後30分は横にならない)、
用法を守らないと胃を荒らしたりする←胃に穴が開いて命に関わったということもあるらしい。
もう一つはそういう手順は無いが、血栓を作りやすいという副作用がある上、
背骨の骨折には効果があるが、手首や大腿骨骨折に関しての良いデータは無いという。
認知症がある方には飲み方にいろいろ決まりがある前者の薬は勧められない。
また、車椅子での生活なら、手首や大腿骨の骨折の可能性が低いので、
後者の薬が合うが、骨粗しょう症の薬一つとっても、他の既往症や、高齢者の状態、
生活環境に関しても考慮しなければいけない等が、よくわかる説明になっている。

またある臨床研究データを比較し、骨粗しょう症の薬を飲んだ100人と、
飲まなかった100人、飲んだ100人の内、その後の3年間で圧迫骨折をしたのは、
飲んだ人12人、飲まなかった人19人。
7人の差のリスク軽減を、薬を服用するリスクと天秤にかけ、どう捉えるかという問いかけもされている。

またあるコレステロールの薬は、心臓発作や脳卒中のリスクを下げるのに5~6年、
骨粗しょう症のある薬は、骨折リスクを下げるのに4.2年かかるというデータを取り上げ、
余命が限られた高齢者に、そのような薬を処方することへの疑問も提示している。

日本は薬が安いため、薬は安易に処方され、飲む方もその効果を詳しく知らないまま
飲んでいるケースが多いという問題点も指摘されています。

また血栓予防のワーファリンという薬に関しては、その薬の血中濃度を一定にする必要性から、
食べ物の制限が厳しく(納豆・青菜などビタミンKを多く含む食材や飲酒などが禁止)、
毎月の血液検査が必要(1人で受診できなければ、毎月家族の付き添いが必要-介護保険では
病院の付き添いは実費になることも多いので付き添いがいなければ、タクシー代、
付き添い代なの家計への負担も大きい)、他の薬との飲み合わせ問題が多いなどの、
いろいろな制約があることと、出血性の副作用がある問題について書かれています。
心臓や、脳梗塞等の予防は、脳出血などのリスクを伴う。
そして、脳梗塞などのリスクが高い人ほど、虚弱高齢者が多く、副作用のリスクも高いという。
ある患者さんでは、脳血栓症を起こすリスクが1年間で2.5%、薬によって1.3%まで下げられるが、
そのぶん、出血性合併症リスクは1.9%になる。
このように、治療してもしなくても、どちらもリスクがあるというのが高齢者医療だと述べられている。

最後の方の章では「治療」か「癒し」かということで、体が衰弱している虚弱高齢者の場合、
老衰に向かっている過程を、「治療可能」と勘違いし、必死になって「治療」することにより、
高齢者の生活の質を軽視してしまっているのではないかという、高齢者医療の問題点についても
考察している。
老いていく事は止められない、治せない、そういう観点も必要で、より長く生きるではなく、
「より良く生きる」発想の転換が必要。

ということで、高齢になった時、体や精神はどう変わるのか。
その時に、どう向き合うべきなのか。
また介護する家族も、それを知っておくことで、親や近親者の老後に向き合えるとともに、
介護や医療との連携もしやすくなる、という意味で、親の介護や自分の老後を考えだす、
40歳を過ぎたら、是非欲しい一冊。
事例も多く、著者の考えは考えとしてその根拠などもしっかり語られている上、
押し付けがましさもあまりなく、自分で考える機会も与えてくれる良い本です(^^)。
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「ダークスカイズ」監督スコット・スチュワート:お化け屋敷ものに一捻り・・・どうもチグハグ。 [映画:ホラー・サスペンス]

ダークスカイズ ブルーレイ&DVDセット (2枚組)(初回限定生産) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray

5.5点

「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」(リンク先感想)のスタッフ制作。
この作品の前に見た「死霊館」(リンク先感想)も、「インシディアス」のスタッフだけど、
「死霊館」は監督が同じ。
こちらは「スタッフ」が同じらしいけど、ジェームズ・ワンの名前も、
「パラノーマル・アクティビティ」のオーレン・ペリの名前も無く、
名前のあまり知られてないスタッフ制作なのか?

男の子を2人持つパレット一家。
しかし、父親のダニエルは失業中で、母親のレイシーの働きに頼っている。
職が決まらず、住宅ローンも滞納。
徐々に経済的に追い詰められていく、ダニエルとレイシーの間には不穏な空気が。
そんな時、深夜、冷蔵庫の中が何者かによって荒らされる事件が起きる。
その後、奇怪な光の模様を描くオブジェが作られ、飾ってあった家族の写真が無くなり、
鳥の集団が、パレットの家に次々と衝突し、死ぬ事件まで。
そして末の息子サムは、「サンドマン」という名前を口にする・・・。

お化け屋敷ものですが、家の中の怪異に追い詰められるだけでなく、
経済的に困窮し、子供のセラピー料金の事ですら悩み、夫婦喧嘩が頻発、
上の息子ジェシーは思春期で反抗期、その上、児童虐待の疑いまでかけられ、
近隣の目も冷たく・・・・と、平行して現実世界でも追い詰められていく様子が描かれてます。
ただ、現実世界で追い詰められていく方がリアルで、家の中のちょっとした怪奇現象が霞みがち。
結局現実世界で追い詰められたことが、怪奇現象とあれこれリンクするわけでもなく、
嫌な雰囲気を盛り上げるためだけ・・・というのも、ちょっと肩透かし。

ここからネタバレなので、読みたい方は反転で。

で、結局、怪異は、宇宙人がさらうに来る前兆現象。 心霊ではなく、SF。 でも、科学力が非常にあると思われる宇宙人なのに、何で冷蔵庫をあさったり、 家の中に夜中に入り込んでウロウロしたり、いろんなことするかは謎。 「恐怖につけ込む」ってあったけど、悪魔じゃないんだし。 作中に「実験用のマウスに、研究者の気持ちはわからない」という説明があるけど、 その説明だけでは、どうにも納得できない理不尽さが。 「悪魔」を「宇宙人」に置き換えて、「宇宙人は理解不能」という理由をつけただけって印象。 まだ「悪魔」の方が、納得できたよ(^^;)。

ネタバレ終了。

お化け屋敷もので、「家の中の怪異」「子供に襲いかかる脅威」「家族愛」などが中心になっているのは、
少し前みた「死霊館」(リンク先感想)と同じ。
出来の良い「死霊館」の後に続けて見てしまったというのが、より評価を低くしてるかも(^_^;)。
「死霊館」は、よくある題材を上手にまとめていたし、登場人物の描き方もプロトタイプだけど、
それがシナリオによくマッチしていた。
それに比べると、本作は一捻りした割には、それが上手く行っておらず、
あちこちに散りばめられてるエピソードも、上手くストーリーの流れにマッチしてないで、
浮いてるというか、とってつけた感が強いエピソードがいろいろ。
いろいろ入れすぎて、まとめ切れず・・・という印象の映画。

そういう側面が無くても、大元のストーリー自体も、突っ込みたくなる気持ちが強くなる内容だったし。
ただ、バカ映画っていうほど破綻はしてない、微妙な凡作って感じ(^^;)。

予告は面白そうだったので、期待外れだったな~。
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「ミミック」監督ギレルモ・デル・トロ:遺伝子操作で生み出された新種の虫が突然変異!ムシ・虫・蟲・・がたっくさん! [本:ホラー&ミステリー]

ミミック [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray
6点

ニューヨークで突然流行りだした謎の伝染病。
多くの人命を奪ったこの伝染病は、ゴキブリを媒介に広められている事が判明。
昆虫学者のスーザンは、ゴキブリを短期間に死滅させることができる
カマキリとシロアリを遺伝子操作し生み出した虫、「ユダの血統」を放つ。
それにより、伝染病の流行は沈静化したが、3年後、子孫を残せず半年で死滅するはずだった
「ユダの血統」が独自の進化を遂げ、人を捕食する生き物へと変貌していた。
「ユダの血統」が進化し生き延びている事に気がついたスーザンは・・・・。

監督は、怪獣映画が好きなら感涙モノ「パシフィック・リム」(リンク先感想)のギレルモ・デル・トロ監督。

オープニングから、気持ち悪い虫がたっくさん!
下水道の中の大量のゴキブリ、いろんな虫の映像・・・・虫嫌いな人なら、ゾワゾワ来ること間違いなし!

ただ、メインのストーリーは陳腐。
登場人物の魅力もあまり感じられないし、性格の描き方も上手いとはいえない。
上手く描ければ魅力的になるんだろうなぁという性格設定になってても、
その魅力がちゃんと出せてないというか、薄っぺらいというか。

地下道に巣食うおぞましい蟲達、虫が大量にいる研究室、
遺伝子操作された生き物を世に放つ危険性・・・・と、舞台設定やディテールに関しては、
それなりによく出来てるんだけど、とにかくストーリーが・・・・(-_-;)。

「パシフィック・リム」でも思った、人間ドラマの下手さが、出てしまってる上、
人間ドラマは陳腐でも、他に魅力盛りだくさんで楽しめ、「人間ドラマなんておまけ!」と
思えた「パシフィック・リム」と違って、人間ドラマのウェイトが大きいので、
「陳腐過ぎるストーリー」って方が印象に残った。

前半は、虫がたくさんでてくるゾワゾワ感、虫に対する嫌悪感などが刺激され面白かった。
でも、変異した「ユダの血統」との直接対決になる後半は、「ユダの血統」が、虫の持つおぞましさが
なくなり、「戦隊物」もしくは「仮面ライダー」の怪人みたいになってる上、
カッコイイ戦闘シーンもなく、盛り下がり。

「仮面ライダーの怪人」と化した「ユダの血統」自体は、ある意味面白くもあるんですが、
シナリオ的には、「????」とか、「これはないだろ」と突っ込みたくなるような展開だったし。

主人公の女性が、遺伝子操作で変身して闘ったら、また別の魅力が見られたかもしれないけど(笑)。
それじゃ、「仮面ライダー」とか、「テラフォーマーズ」になっちゃうけどね(^^;)。
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「死霊館」監督ジェームズ・ウォン:正統派、心霊・お化け屋敷物!正統派でもすごく面白いO(≧▽≦)O! [映画:ホラー・サスペンス]

死霊館 ブルーレイ&DVD(2枚組)(初回限定生産) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
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7.8点

「SAWシリーズ」「インシディアス」(リンク先感想)などのジェームズ・ウォン監督による、
オカルト・ホラー映画。

「インシディアス」も正統派お化け屋敷もので、面白かったけど、今回も傾向は同じ。
でも、「インシディアス」よりも、熟れていてより面白く観ることができました(〃∇〃)♪

時代は1971年。
池の畔に建つ中古の家を手に入れたペロン一家。
以前より広い家に期待を膨らませ、5人の娘と共に引っ越してきた。
しかし、飼い犬は何かに怯え、家の中には入らず、また入り口を板で打ち付けられた地下室が・・。
その上、家中の時計は3時7分で止まり、外よりも冷え込む室内には死臭のような臭いが・・・。
次々と襲ってくる怪異に、一家は怯え、心霊現象研究科で、いろいろな心霊現象を解決してきた
ウォーレン夫妻に助けを求める・・・・。

粗筋だけ読むと、本当に本当に今までもよくあった、使い古されたような話なんですが、
ストーリー展開のテンポがよく、また登場人物も魅力的に描かれ、メインのペロン家のストーリーと
平行して描かれる、心霊研究家ウォーレン夫妻についてのサブストーリーも面白く、
メリハリのあるストーリーになっており、よくあるストーリーがベースになってても、
こんなに面白く、ドキドキする展開になるんだーと関心しつつ鑑賞!

すごく新しいことはやってないですが、基本をしっかり踏まえ、丁寧に話が描かれ、
ゾクゾクするようなオカルト的演出も上手く、すごくよくできた秀作(〃∇〃)♪
1971年が舞台という、レトロ感も雰囲気を上手く盛り上げてます。

また5人姉妹の中でも、下の2人の姿が愛らしく撮られてるのもいい♪
5人の娘さんたち、画面の中にはいるけど、アップの映像は少なめ。
でも、ここっ!って時に、アップになる、下の娘2人が可愛く、子供の想う親の気持ちに共感しやすい。

スプラッタ描写はほとんど無く、お化け屋敷物正統派オカルト・ホラーが好きな人にとてもお勧め(^-^)ノ。
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「My Humanity」長谷敏司著:「人間性」を中心に据えた、近未来SF短篇集。 [本:SF]

My Humanity (ハヤカワ文庫JA)

My Humanity (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 長谷 敏司
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: 文庫
7.3点

タイトルから推測できるように、「人間性」をテーマにした近未来SF短篇集。

「地には豊穣」脳内に擬似神経系を構築することができる「擬似神経制御言語ITP」の開発により、
経験などを簡単に他に人の脳に、移すことができるようになった近未来。
最初にアメリカ人によって開発されたそれは「英語」をベースに行われており、
他の文化から「英語圏文化」への洗脳との批判も多かった。
日本語をベースにしたITP開発を行っているケンゾーは、日本文化の継続保護よりも、
より合理的な方向を目指していたが・・・。

現在もグローバル化によって均一化しつつある世界だが、それが技術革新により、
それがより進むことになったら、各国が持っている文化は消えてしまうのか?
ということをテーマに、「日本人らしさ」に関しても触れている話。

「allo,toi,toi」幼い少女を殺した小児性愛者チャップマン。
無期懲役で刑務所に収監された彼は、「性犯罪者」として、刑務所で一番下の扱いを受けていた。
ITPを移植することにより、その小児性愛の嗜好を矯正する実験に協力することなった彼。
死ぬまで出られない刑務所での過酷な生活の中、彼の脳内には、幼い声で話しかけ、
励ましてくれる存在が出現する・・・。

小児性愛者チャップマンの、自己中心的過ぎる気持ちが延々と語られ、それが脳内に作られた
少女の幻想との会話により、どう変わっていくかが描かれている。
チャップマンの自己弁護と自己中心的主観に満ち溢れた考えを延々と聞かされる(読まされるのは)、
不快だし、嫌悪感も強いが、酷い事をした人間だからと、チャップマンが刑務所内で、
リンチされたりするのを傍観する「倫理観のある人」(自分もこちらの立場だ)の思考もまた不快。
実録犯罪史などに比べると、人間の心の闇が浅い感じも。

「Hollow Vision」人々の多くが、宇宙コロニーに移住し、人工知能によって、統括されている世界。
貧富の差が拡大する中、軌道ステーションで起きたテロ。
盗まれた高度コンピューターの技術が拡散すれば、世界を揺るがしかねない自体になる。
国際人工知能(IAIA)に勤務するヘンリーは、奪われたコンピューターを取り戻す為に、
辺境のコロニーに降り立つ。

どんな事態が起きても、合理的に迅速に判断できる「人工知能」が統括する世界。
以前読んだゾンビが世界に溢れる世界を描いた「WORLD WAR Z」で、
被害を食い止める為に、多くの人を敢えて見殺しにする選択を、人々は葛藤しつつも行うが、
人工知能は、葛藤無くそういう決断を下す。
それが是なのか否なのか・・・すごく難しい。

「父たちの時間」放射線を吸収して低減させる自己増殖機能を持つナノマシン
「クラウズ」。
原発事故や、古くなった原子炉を廃炉にするために使われているそれらに突然変異が。
世界各地に広がり、自己増殖する「クラウズ」は、恐ろしいほどのスピードで、進化していく。
「クラウズ」に対抗するためのナノマシンの開発を行う洋一。
急がれる研究と秘密保持のため、監禁状態に置かれている彼は、入院している
息子の事が心配だったが・・・。

ナノマシン禍ものは、好きなネタなので、一番おもしろく読んだ。
ただ、テーマである「父親」の存在、立場に関しては、あまり共感できず、
ストーリーの流れは面白いけど、テーマはどうでもいい・・・って感じに(^^;)。

さて、この短篇集、ちゃんとまとまっており、秀作揃いだと思う。
でも、でもすごく気になった部分が。
この短篇集のテーマ「人間性」。
それぞれの作品で、文化について、罪について、倫理観について、父親という立場について・・・
登場人物の心象が、深く語られている。
その部分が、とても「今」なのだ。
近未来で変化した人の意識ではなく、SF的なガジェットを使わなくても、
「現代を舞台にした普通の小説」でも、同じ事が語れそうな内容と思えた。
舞台は未来でも、登場人物の考え方は完全に「今風」というのは、スペオペなど、
他のSFでもよくあることだけど、この短篇集の作品の場合、その部分に非常に
ページを割いているため、違和感が強かったというか。

文化が変わると人の考えも全く違ったりする、時代が変われば、同じように
今当たり前のことが当たり前ではなくなったりする、そういう価値観の変化・違いが、
作品にうまく反映されているものが好きなので、その辺、メインの部分が「今」過ぎたのが、
ちょっと物足りなかった。

SFを通して、現代社会の歪を再認識させるってのが狙いなのかもしれないけど。
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「リバーサイド・チルドレン」梓崎 優著:ずっしり重い設定に、物語が上滑り・・・・。 [本:ホラー&ミステリー]

リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)

リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)

  • 作者: 梓崎 優
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/09/11
  • メディア: 単行本
6点

カンボジアのストリートチルドレン達と暮らすことになった日本人の少年ミサキ。
ストリートチルドレン達の置かれる過酷な環境。
腐臭漂うゴミ捨て場でゴミを拾って生きる彼らは、劣悪な状況の中でもたくましく生きていた。
しかし、ストリートチルドレン達が次々に殺されるという事件が起こり・・・・。

この小説で描かれているストリートチルドレン達が置かれている過酷な環境というのは、
現実世界に即したものだと思う。
親に捨てられ、売られ、親の虐待に耐えかね・・・一人で生きる事を選び、過酷な状況に身を置く彼ら。
彼らの命は驚くほど軽く、劣悪な環境で必死で働いても、いつも飢えるような生活。

その辺が、この小説からも見えるんだけど、その厳しい現実を舞台に描かれる物語が、
どうも浮いている。
陰惨過ぎる部分や、人の醜さ、目を背けたくなるような悪い部分はさらっと描き、
いい部分を詳しく描いているせいで、土台になってる舞台が、過酷なのが見えているのに、
物語は、別の場所で展開されているような印象を受けるというか。
それは、日本人の少年ミサキの視点で語られるから・・・と言われれば、そういうものかとも
思えるんだけど、それがテーマならともかく、そこにミステリー要素が付加されたため、
より視点はぼやけ、最後まで、物語に入り込めない、つかみ所の無さだけが残る結果に。
ただ、ミステリー要素がなければ、物語自体が、大きなメリハリも、先を読みたいという
吸引力も無いものになりそうな感じだったので(事件が起きるまで、単調な印象だった)、
ミステリー要素は必要だったようにも思えるし・・・。

著者の特徴らしい、情緒的な文章は、たまに効果をあげていたけど、全体を通して、
その文体でも無いので、全体をまとめあげるほどの効果がなく、場合によっては、
情緒的過ぎて弊害になってる場所も。

ミサキがカンボジアでストリートチルドレンになった理由や、連続殺人事件の謎解きやその経過は、
ちょっと突飛過ぎて、マンガみたいだと思えたし。

駄作というほどの出来ではないんだけど、全体的に中途半端という読後感が残った。
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「HUNTERXHUNTER(ハンター・ハンター)」連載再開O(≧▽≦)O!舞台は「暗黒大陸」? [本:コミック]

ハンター×ハンター (No.1) (ジャンプ・コミックス)

ハンター×ハンター (No.1) (ジャンプ・コミックス)

  • 作者: 冨樫 義博
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: コミック


HUNTER×HUNTER 32 (ジャンプコミックス)

HUNTER×HUNTER 32 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 冨樫 義博
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/12/28
  • メディア: コミック


長らく休載していた冨樫義博の「HUNTERXHUNTER」が、2014年6月2日発売の、
「週刊少年ジャンプ」27号から、連載再開O(≧▽≦)O!

現在、我が家のブームが、「HUNTERXHUNTER」だったので、ピッタリのタイミング!

今、「キメラアント編」のアニメを放送しているせいか、コンビニコミックで、
「HUNTERXHUNTER キメラアント編」を見て、再び「キメラアント編」が読みたくなった私。
「HUNTERXHUNTER」の中でも、キメラアント編序盤の、絶望的なカタルシス、すごく好きなんです♪

丁度、家の近所の「ブックオフ」が閉店セールで、50%オフとか、70%オフとかやってたので、
「HUNTERXHUNTER」の単行本の「キメラアント編」を購入(足りない巻は別のブックオフで買った)。
すると、全巻通しで読みたくなり、1~8巻までブックオフに売っぱらった過去もあるのに、
全巻揃えちゃいました~←近所のブックオフだけではさすがに揃わず(というか、既に遅しで、
売り切れてた)、これまた別のブックオフも使って、現在出ている32巻までコンプ。

それを旦那が読む。
息子も読んではまる。
特に、息子は、今まで全く読んでいなかったせいもあり、「面白い!」と大絶賛!

さて、32巻の最後は、キメラアントとの死闘で亡くなったネテロの息子が登場。
新連載はその続き。
今までの舞台となっていた世界の常識が通用しない、恐ろしい厄災を運んでくる「暗黒大陸」が
舞台となるようです。
1話目は、ほんとうに導入だけしか描かれてないけど、かなり壮大な内容になりそうで、
今後の展開に期待O(≧▽≦)O!

そして、・・・・・・・・・・・・・・・あまり休載が無いといいな~。

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「ニーチェ先生」絵:ハシモト・原案:松駒:「お客様は神様だろ!」「神は死んだ」恐るべき新人バイトの受け答え(笑)。哲学は全然関係無いです(^^;)。 [本:コミック]

ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)

ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)

  • 作者: ハシモト
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/01/27
  • メディア: コミック
7点

「お客様は神様だろ!」と怒るお客に、「神は死んだ」と言い放つ新人コンビニバイト仁井(ニーチェ先生)。
仏教を学び、写経が日課、人間嫌いで、嫌な客はと聞かれ「店に来る客は全て」と答える彼。
理不尽な客を、鋭く斬りまくる←他の人に対しても斬りまくりですが。
そんな様子をハラハラと見守る先輩バイトの松駒。

仁井みたいな店員がいたら嫌だけど、「サービスしてもらって当たり前」、
「客は偉い」と勘違いしている人が増えてる昨今、接客業をしている人なら、
読んでスッキリする部分も多い気が(^^;)。

接客業の仕事・パートをしてる友人・知人から聞く、とんでも客・クレームの話って多いし
(無理な値引きを断ったら、捨て台詞残して去ったあげく、本社に名指しクレーム、
自分の気に入りの商品が入荷しなくなったら、怒鳴りまくって帰ったあげく、
本社に品揃えが悪いとクレーム・・・etc・・とにかく多い)。

最近は、そういう偉そうな態度、理不尽なクレームに対しての世間の風当たりは厳しくなったけど、
やってる当人は、「自分は偉い!」とでも勘違いしてるのか、気がついてない人も多い気が。

以前銀行で、些細なことで激高し、騒いでもどうにもならないことなのに、
窓口の女性に対して、「女じゃダメだ、責任者を呼べ!」と大騒ぎしてた
男の人がいたけど、すごくみっともなかったし、人間としての小ささを
自分で大声で叫んでるようなものなのになーと、思った。

ネタ的には、滑ってるのもいくつかあったけど、あるあるネタとかもあったり、楽しんで読めました♪

この「ニーチェ先生」、実在の人物がモデルになってるという話も聞くけどホントなのか??
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「_| ̄|○」のクリップを並べてみると・・・ [映画:ホラー・サスペンス]

clipp1.jpg
絵文字の「_| ̄|○」(orz)のクリップを発見!
思わず購入。
280円。

こっ、このクリップ、あれに似てる・・・・・。
ついつい並べてみる。

clipp2.jpg
やっぱり似てる~!

最近見て、あまりの凄さに大興奮だった映画「ムカデ人間」「ムカデ人間2」(リンク先感想)にっ!

わざわざ黒い折り紙を必死で探して、こんなの作ってしまって、
気持ち的には「_| ̄|○」感があるけど、それでも、かなり似てる雰囲気になったので大満足(〃∇〃)!

8個入りなので、8人合体までできます(笑)。
「ムカデ人間2」は12人合体なので、足りないけど。
そして、まだできていない「ムカデ人間3」は100人合体の予定らしいので、もっと足りない(笑)。


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「懐かしくて新しい昭和レトロ家電」増田健一著:家電の歴史と、昭和30年代家電コレクションを紹介! [本ノンフィクションいろいろ]

懐かしくて新しい昭和レトロ家電―増田健一コレクションの世界

懐かしくて新しい昭和レトロ家電―増田健一コレクションの世界

  • 作者: 増田 健一
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2013/10
  • メディア: 単行本
6.8点

昭和28年の発売当時は20万、高卒国家公務員の初任給が5400円だったので、
年収3年分だった「テレビ」。
今で言えば、数百万??
しかし、昭和33年ころには8万ほどに。
それでも高いけど、メーカー努力による値下げによって、どんどん普及したテレビ。

今は無くなってしまった「サンヨー」の出した、「噴流式」の洗濯機。
それまでの「撹拌式」に比べて、短時間に洗え、小型、その上半額ということで、爆発的に普及。
「サンヨー」の歴史を聞くと、必ず「洗濯機」の話が出てきて、細部まで聞いても
面白い(この本は、ちょっと触れているだけですが)。

手洗いは、非常に大変なので、安くて便利な洗濯機の登場は、主婦に大歓迎されただろうなーと
いうのは想像がつく(今、洗濯機がなかったら・・・と思うと、ぞっとする(^^;))。

その他、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ・・・など、今では無くてはならない家電製品の、
初期の姿や、値段、使い勝手などがいくつも紹介されていて、面白い本。
ただ、この内容が書かれているのは「第四章」。

他の章でも昭和30年代の家電を、カラー写真で紹介しているけど、
「かなり個性的で実験的な家電」、「ユニークな家電」中心。
それはそれで面白いんだけど、昭和30年代の家電はほとんど馴染みがなく、
そのせいか、あまり思い入れを持って読むことが出来なかったので、点数若干低め。
そういう、レトロで変な家電が好きな人なら、すごく楽しめる内容なんじゃないかと(^^)。

私は、「第四章」みたいな、家電の歴史的から、当時の生活がかいま見えるような、
内容がメインが良かった。

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「ブラックライダー」東山彰良著:世界滅亡後ウェスタン時代に戻ったようなアメリカ。人は人肉を、そして牛と人間を掛けあわせた「牛」を喰う。その世界で生きる人々が思うことは・・・。 [本:SF]

ブラックライダー

ブラックライダー

  • 作者: 東山 彰良
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/09/20
  • メディア: 単行本

7.8点

「このミステリーがすごい2014」3位になった作品。

「6・16」と呼ばれる世界大戦後の、荒廃した世界。
世界は冷えきり、多くの動植物が滅亡した。

アメリカで生き残った人々は、ウェスタン時代に戻ったように、馬に乗り、牛を飼う。
そして、何かあれば、銃が火を吹く、弱肉強食の世界。
違うのは、あまりの食糧難に、人が人を喰うことが普通になったこと。

そして、そんな食糧難を解決するために造られたのは、牛と人間を掛けあわせた「牛」だった。
新たな「牛」の誕生によって食糧難が解決しつつあり、「人肉を食べることが禁止される法律」もでき、
一度破壊された文明は徐々に発展し、「秩序」を取り戻しつつあるように思えた。
しかし、謎の赤い寄生虫、知能の高いパッと見には人間の姿をした「ユダの牛」の誕生・・・・
変わりつつある世界には、またもや災厄の予兆が・・・・。

荒廃した未来を舞台に繰り広げられる、ウェスタン+黙示録的なストーリーはおもしろい!
ただ、ただ、ただ、とにかく読みにくいのが問題。

翻訳小説を意識したと思われる文体は、あまりにも意識し凝りすぎて、意味をとるのに一苦労。
台詞中心のストーリー展開なので、情報は小出し。
いくつもの情報を拾い集めて、世界観を想像しなきゃいけないんだけど、
情景描写があまり得意じゃないらしく、本書から読み取れる情報だけでは、
細部まで想像できず、自分の想像力をかなり駆使しないと、世界観がぼんやり。

例えばファンタジーで「ドラゴンが現れた」とあった時、「巨大な赤いドラゴン」とだけ
書いてあるのと、「研ぎ澄まされた爪は大理石のように黒光りし・・・」と詳細まで書いてあるのでは、
自分が想像する「ドラゴン像」は変わってくる。
そして、前者では、自分の知ってる「ドラゴン」を漠然と思い浮かべることになる。
この本の場合、この「前者的な表現」がメインで、自分で世界を想像しなきゃいけない。

それプラス、変に凝った読みにくい文章。
その上、登場人物も多く、物語の中心になる人物も何度か変わり、それを把握するのも一苦労。

読みにくい凝り過ぎた文体に関しては、最初の50ページくらいが非常に凝ってて読みにくく、
その後は凝るのが大変になったのか、徐々に凝り過ぎ感は緩和し、世界観を想像する為の
情報もある程度揃った中盤以降は、かなり読みやすくなる。
でも、最初の100pくらいは、読むのが大変。

イカレタ登場人物ばかりが登場する西部劇小説「シスターズ・ブラザーズ」(リンク先感想)的な、
アメリカウェスタン小説っぽさと、近未来をうまく融合させたストーリーは、
読了後、「おおおおっ!!!!!」と思えるまとまりを見せるけど、
文章の読みにくさと、描写力の弱さがもったいない。
近未来世界を描いているので、もうちょっと描写力が欲しかった。
でも、ストーリーはおもしろいので、最初の読みにくさを乗り切って、最後まで読んで欲しい小説。

作品には、現代文明へのアンチテーゼもかなり含まれている。
「人を殺して食べることはいい。でも、食べないのに殺すことは恥ずべきこと、悪である」
「食料になった人に感謝して食べる。自分が食べられる時も感謝する」というような概念など、
状況が変われば、常識が変わるという視点や、
文明が進むにつれ、以前「当たり前」だったことが、非常識として頭から否定されていく過程や
それが理不尽だと感じる気持ちと、新しい価値観を受け入れなければならないという葛藤など、
人々の意識変化に関する描写は面白い。

食べ物に飢えてた頃は、食べ物が手に入っただけでも幸せだったのに、
飢えの心配が無くなると、先のことが不安になり、欲がどんどん大きくなるということなど、
満ちているからこその不安などは、今の社会をそのまま暗示している。

そして、文明がすごい勢いで再構築されつつある実情を見て、文明が進んでいくと、
人の意識が変化し、また人はそれを破滅させるような事、「6.16」と同じことを繰り返すのでは
ないかという作中の人物が感じる不安も、今の社会に通じるものがある。

しかし、文明の進歩と価値観・モラルの変化、その狭間で、逞しく生きる人々を、
興味深く描いている作品でもある。

お勧め(^-^)ノ。
序盤、読みにくいのを我慢して読もう!!
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「鉱物見タテ図鑑」フジイキョウコ著:鉱物の美しさを、いろいろなものに見立てて遊んだ本♪ [本ノンフィクションいろいろ]

鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学 (P-Vine Books)

鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学 (P-Vine Books)

  • 作者: フジイキョウコ
  • 出版社/メーカー: スペースシャワーネットワーク
  • 発売日: 2011/10/07
  • メディア: 単行本
7点

美しい水晶の結晶、真っ青で丸い形が愛らしい「カバンシ石」、十字の形の「十字石」、
綿玉のような「オーケン石」。
鉱物には、自然にできたとは思えない、キレイだったり、可愛かったり、不思議だったりする
造形がいろいろある。

そういう鉱物を、ものに見立てて、遊んだ本。

淡い緑色をした「ぶどう石」の粒を、お皿に乗せてフォークを添えれば、まるで本当のぶどうのよう。
割れると必ずマッチ箱を潰したような形にキレイに割れる「方解石」。
それらをガラスの器に積みあげると、まるでゼリーのよう。
薄い山吹色のオレゴンオーパールをスプーンに乗せれば、まるで崩したゼリーをひとすくいしたみたい!

そんな感じで、鉱物をいろいろなものに見立てて撮った写真がいろいろ。
こんなに不思議な様相を示す鉱物がいろいろあるんだーと、写真を見ているだけでも楽しい(〃∇〃)。
写真に付いている補足には、詳しすぎない程度の鉱物の補足もあり、勉強にもなります♪

なかなか楽しめた一冊でした。

ただ、印刷のせいなのか、元の写真のせいなのか、写真自体がもうちょっとキレイだと・・と
思える写真も(^^;)。
新装版が出ているようだけど、その辺改善したのかな?
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「スナックさいばらおんなのけものみち ガチ激闘編」西原理恵子著:女性週刊誌の投稿欄に西原理恵子がアドバイストしてるような本。 [本ノンフィクションいろいろ]

スナックさいばら おんなのけものみち  ガチ激闘篇 (単行本)

スナックさいばら おんなのけものみち ガチ激闘篇 (単行本)

  • 作者: 西原 理恵子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/07/31
  • メディア: 単行本
6.8点

西原理恵子が「スナックのママ」的立場で、お客さんの話(読者の投稿)を聞き
アドバイスするというスタイルな「スナックさいばら おんなのけものみち」。

3冊出てて読んだのは「ガチ激闘編」。
他に「スナックさいばら おんなのけものみち 七転び八転び篇
スナックさいばら おんなのけものみち バックレ人生大炎上篇
が出ているよう。

第一章は「ベッドで聞いたちょっといい話」で、シモネタメインで、下世話すぎて苦手でした。

第二章は「女の戦場・お正月を笑い飛ばせ」で、旦那の実家で苦労する嫁の話、
第三章は「ああ、離婚。こうして地獄の沙汰から生還しました」。
世の中には大変な姑、旦那がいるのもわかるんだけど、あまりにもアドバイスが、
上から目線すぎて、ここまで全然共感できず。

しかし、その後「冷蔵庫の残り物上等!我が家のサイテー料理選手権」と
「あの日をずっと忘れない。家族から言われたとっておきの一言」の章は面白かった。

「現場からの声を、聞かせて下さい。なかなか言えない介護の本音」は、
かなり現実的なアドバイスが多い。

ただ、専業主婦をしてると介護保険でいろいろしてもらえず、憎い姑の介護させられるけど、
働いているなら大丈夫ってのは、ないなーと思った。
働いてて、仕事と介護の狭間で死にそうになってる人も多い。
時間にある程度余裕がある介護者が数人いて、手があるため、
一人一人の負担が小さくなってるケースも多いし。
手がかかる老人は、訪問ヘルパーとか、介護保険のいろいろを断固拒否、
施設入居ももちろん拒否!ってなったりするから、手がかかったりするものだし。
ただ、専業主婦していると、訪問ヘルパーなどを頼みにくいってのはあるかもしれない。
まぁ、基本は、介護者の割り切りと、被介護者の譲歩、当事者(とくに被介護者)の性格に、
よるところが大きい気がする。

最初は、下世話なネタ、毒舌ネタ、その後、ちょっと笑えるネタ、現実的なネタ、
そして、最後はいい話でまとめる・・・ってのは、構成的に西原理恵子らしいなーと思った。

最初の3つの章が、全然楽しめなかったので、評価低めだけど、後半は楽しめた。
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「内澤旬子のこの人を見よ」内澤旬子著:路上観察イラストエッセイ集。街なかで見かける、ちょっと気になる人101人。 [本:エッセイ]

内澤旬子のこの人を見よ

内澤旬子のこの人を見よ

  • 作者: 内澤 旬子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: 単行本
7点

街なかで見かけた、お店で遭遇した、ちょっと気になる人、不思議な人、印象に残った人・・・
そういう人たちを101人集めた、路上観察イラストエッセイ集。

以前読んだ、同著者のおやじ観察日記「絶滅危惧種中年男性図鑑おやじがき」(リンク先感想)は、
観察相手への卑下を、優しいコメントで隠そうとしてる偽善的な部分が気になって
イマイチだったけど、同じ路上観察日記系のこの本は、そういう事はなく、
観察対象が変だ・ダメだ・可笑しいというところは、しっかりツッコミ、
シニカル視点もそれなりに出ていて(あまりストレートに本音を書くタイプではないらしいけど)、
それなりに楽しんでは読めた。

見開きの左ページが、街なかで印象に残った人のスケッチ、右ページがその人物に関する
著者の見解という構成。
「ビッグコミックスペリオール」で2009年から連載されていたらしい。

異臭漂うマグロを出す怪しい寿司屋とか、高校生で溢れ動物園みたいになった
ファーストフード店での女子高生の姿とか、ああ、こういうスナックのママさんいそうだなーって人とか、
歩き弁してる女子高生とか、いろんな人が紹介されてます。

すごく印象に残るって感じの本では無いけど、いろんな街なかの人ネタが入っているので、
時間がちょっとある時、パラパラと読むのにはちょうど良かった。
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「憑き歯 ~密七号の家」五味弘文著:「黒い歯」に憑かれた者の末路は・・・。お化け屋敷プロデューサーが描いたオカルト・ホラー。よくまとまってます♪ [本:ホラー&ミステリー]

憑き歯 ~密七号の家~ (幻冬舎文庫)

憑き歯 ~密七号の家~ (幻冬舎文庫)

  • 作者: 五味 弘文
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/07/12
  • メディア: 文庫
7.3点

その街では、過去に何度か陰惨な連続殺人事件が起きていた。
しかし、別々の犯人が起こしたその事件の関連性を知っている者は、極一部の人間だけ。

その街の「郷土資料館」に赴任した笹川。
川の事故で長女を失い、その事で離婚に直面していた彼は、古い蔵から、
子供の歯が埋め込まれた人形を見つける。
その街には、歯にまつわる不思議な言い伝えがあった。
「おにのははえるな、ひとのははえろ」。
そのオマジナイの持つ意味とは??

そして、事故で生き残ったが、声が出なくなった笹川の次女咲希は、
学校で小瓶に入った黒い欠片を見つけた。
それが咲希の運命を変えていく。
崩壊しかかった家庭。
しかし、突然の咲希の驚くべき変化が、家族の絆を取り戻してくれるように思えたが・・・。

憑き物系のオカルト・ホラー。
物語のテンポもよく、登場人物のキャラクター設定や、要所要所に挟まれるエピソードも、
上手くストーリーに生かされ、とてもよくまとまったホラー小説として楽しんで読めました♪

ただ、文章があまり「ホラーホラー」してなかったのだけが残念。
簡潔ですっきりした文章なんだけど、そのせいもあってホラーっぽい陰惨な雰囲気が
あまり作れていなくて、オカルト・ホラーというより、ミステリー的な文章な印象。

謎が徐々に解けていくストーリー展開は面白いけど、ゾクゾクするような怖さが無いというか。
ストーリーはメリハリもあり、面白かったので、勿体無いなーと思ってしまった。
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「百姓貴族」3巻(荒川弘著):2年ぶりに新刊発売だーヽ(^o^)丿!! [本:コミックエッセイ]

百姓貴族 (3) (ウィングス・コミックス)

百姓貴族 (3) (ウィングス・コミックス)

  • 作者: 荒川 弘
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2014/02/25
  • メディア: コミック


2巻(リンク先感想)が出てから早二年!
やっと、「百姓貴族」の3巻が発売されました~ヽ(^o^)丿めでたいっ!

「百姓貴族」は、酪農家に生まれ育った荒川弘の体験コミックエッセイで、
現在実写化もされた「銀の匙」の元ネタ満載の本でもあります。

「目から鱗の北海道酪農家トリビア」は、さすがに1巻に比べると、巻をおう毎に減ってるけど、
それでも、おもしろいネタがいろいろ。

そして、今回一番印象に残ったのは、荒川弘の初回投稿作品制作状況。
寝る暇も無いくらいの、酪農家の一日。
どうやって原稿を描く時間を捻出したかというと「寝ない」・・・・そしてほんとに「寝てない(^^;)」。

ずっと時間が無い生活の中、「やるぞっ!」と決めたらやりぬく荒川弘の姿に感動。

東村アキコの、学生時代を描いたコミックエッセイ「かくかくしかじか」の、
時間が有り余る生活をしつつも、全く描いてなかった東村アキコの姿とは対称的(^^;)。
まぁ、東村アキコも、就職してその仕事を辞めたい一心で、少ない時間をやりくりして
投稿作品を描き上げてたりするし、どちらも投稿作品一作目でデビューが決まったりと、
似てる部分はあるのですが。

一番驚いたのは、この本とは関係無いけど、荒川弘が、3人目を出産してたことですね~。
週刊連載、月間連載持ってて(ちょくちょく休載はありましたが)、3人目を出産って!
ということは、2人の子育てしながら、連載やってたってことですよね・・・。
ううう、ほんきで、すごすぎ!
荒川弘の勤勉さを、少し貰いたい・・・。
と、最近、あまりにもダラダラしたい気分強すぎの自分は思います。
「働かざるもの食うべからず!」

3巻も楽しめました(〃∇〃)♪
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「ぼくの体はツーアウト 5巻」(よしたに著)発売!ツーアウトだったよしたに、ついに発症!! [本:コミックエッセイ]

ぼくの体はツーアウト 5 (グランドジャンプ愛蔵版コミックス)

ぼくの体はツーアウト 5 (グランドジャンプ愛蔵版コミックス)

  • 作者: よしたに
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/03/05
  • メディア: コミック
7.5点

30代前半で、高コレステロール、高尿酸、高血糖の内、前2つがアウトの著者。
医者から「このまま順調に行けば40代で糖尿病」と衝撃の宣告を受け、
健康体を目指しいろいろな事にチャレンジする、体験物コミックエッセイ。

1~4巻までの内容に関しては4巻感想にまとめてあります。

しかし、体験物にありがちというか、体験はするけど、続かないということで、
若干生活に改善は見られたものの、大きな変化は無し。

そしてそして遂に痛風発症!
体の中の尿素が結晶化し、剥がれたそれを体が異物と判断することから起きる炎症。
風が吹いても痛いという痛風。

どれだけ痛いかとか、対処はとか、治療方法はとか、治療しないと怖いことになるとか、
油断してるとすぐ再発するとか、尿酸値が高い状態のままだと4~5年ほどで発症するとか、
予防法など、具体的で役立つ情報満載!
尿酸値が高い人はぜひ読みましょう!

著者の場合、尿酸値の高さを健康診断で指摘された直後は、少しだけ食事や飲酒に
気をつけていたけど、その後は、どんどん適当に、健康診断の結果が「要再検査」から
「要精密検査」になっても無視し続け、「ついにやって来ましたっ痛風!」ということらしい。

「数値がどんなに悪くなっても、自分だけは病気にならないと思っていた」byよしたに
って考え、男の人には多そう(^^;)。

実際、家の旦那も、高脂血症の健康診断結果が出ても、あまり気にせず、
要再検査、要精密検査も無視。
旦那に聞いたら、よしたにのように「自分だけは大丈夫」とは思ってなかったとの事。
でも「なってないから大丈夫」って思ってたって・・・基本は同じ思考じゃーーー。
旦那の場合、私が食事内容の大幅な見直しをしたり(自分もダイエットしてたので)、
間食などを多少諌めるようしたりした結果、数値はよくなったけど、
そういうのが無かったら、怖いことになってた気がする。

女の人は、健康診断などで異常が出ると病院に行ったり、食事を見直したり、
ある程度は努力する人が多いんだけど。

ということで、「痛風」になり、「お薬飲んでれば科学の力が抑えてくれる♪」とやってた結果、
著者は痛風再発してるし(^^;)。

「痛風」発症のせいで、激しい運動は避けたほうが・・・ということで、
5巻の体験は「アロマ」とか、「ベリーダンス」「水泳」「ストレッチ」「晩酌禁止」等、
ちょっと軽めなものが多い。

後半は、恋愛相談とか、著者の結婚したい気持ちの強さと理由という、恋愛モノにシフト。
でも、自己管理できないなら、確かに結婚するってのは、健康を維持する近道なのかもしれない(^^;)。
現在でも男性は、生活習慣病で60代・70代の早い時期に、重い介護度になっちゃう人が
1~2割と無視できない値らしいけど、独身率が上がるにつれ、もっとこの割合が増える
可能性も高いし。

そういえば、今回載ってた、知人の元スポーツトレーナー&元整骨院長による、
ストレッチのコツは、今までの連載の中で、一番役にたったかも。
活用してます♪

著者、「痛風」は発症しちゃったけど、「糖尿病」は発症しないように応援してます。
「糖尿病」はなっちゃうと、後々ずっと大変だし、合併症も怖いからなぁ。
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「すゞしろ日記」「すゞしろ日記弐」山口晃著:日本画家によるコミックエッセイ。独自のまったりした雰囲気がすごくいい♪ [本:コミックエッセイ]

すゞしろ日記

すゞしろ日記

  • 作者: 山口 晃
  • 出版社/メーカー: 羽鳥書店
  • 発売日: 2009/08/01
  • メディア: 単行本
7.5点

すゞしろ日記 弐

すゞしろ日記 弐

  • 作者: 山口 晃
  • 出版社/メーカー: 羽鳥書店
  • 発売日: 2013/12/03
  • メディア: 単行本
7.3点

現代のアイテムと、昔の日本が融合したような日本画を描いている画家山口晃の
コミックエッセイ。

元々、絵がとても巧い人だけど、下書き無し(だと思われ-文字など間違った部分は、
グチャグチャと黒く塗ってある)、定規なども使わず、
筆でさらさらと簡単に描かれた基本1ページ完結のコミックエッセイの絵をみても、
独自の味が出ていて、巧いなーーーと感心。

ほんとうに、日常のどうでもいいことをぐたぐた描いてるだけのページもあるのに、
その絵の醸しだす雰囲気だけで、満足できちゃうページもある。

特に、いい味を出しているのは、頻繁に出てくる奥様で、むははと笑いつつ、
豪快に美味しいものを食べる姿には惚れます(笑)。
洗濯物の干し方とか、料理の好みとか、夫婦間のちょっと(でもないのもある)した価値観の相違や、
それを発端にするちょっとした喧嘩なんかも描かれているんだけど、
その辺も、根っこが仲睦まじそうなので、ほのぼのします。

この本、マンガに出てくる食事風景を集めた「マンガの食卓」(リンク先感想)で知ったもの。
なので本書の中では、著者が食べた美味しいものがちょこちょこ紹介されているんだけど、
筆でさらさらと描かれた食べ物は、とってもシンプル。
台詞もくどくどと美味しい理由を並べ立てるのではなく、「うまい」「これはよい」とか
月並みなものがメインなのに、想像力をかき立ててくれて「美味しいそーー、食べたいっ!」と
思わせてくれるのは、やっぱり、絵が醸し出す独自の魅力が元なのでしょう。

以前、別の著者の、ガイドブック的なコミックエッセイで、シンプルな絵で、
台詞もシンプル・・・ってのを読んだ時は、全然その魅力が伝わって来なかったので、
絵の力量って大きいなーと思ったりもした。

奥様のご機嫌取りで一泊した都内の「アーバンリゾート」。
そこのエステ(パックになってたらしい)の、酸素を吸いながら環境映像を見るというのが、
映画「ソイレント・グリーン」(リンク先は、原作の「人間がいっぱい」の感想)の、
ワンシーンに似ているということで、むちゃくちゃ行ってみたくなった(笑)。
「田園」は流れてなかったようだけど。

「弐巻」の方が、日常のことを描くとしてもネタが切れて、ちょっとぐたぐたした話が増えてる気が
するけど、著者の子供の頃の変わったエピソード(バキュームカーが大好きだったとか)、
結婚直後に住んだアパートの「あらら~」ってなエピソードなど、昔の話が載ってたり、
芸術考(?)のようなものが書いてあったり、「弐巻」も楽しめました。

でも、やっぱり2冊とも、奥様とのやりとりが特に味わい深い。
奥様の豪快なキャラクターもいいけど、二人の関係がいい♪
人間完璧じゃない。
いい部分も、悪い部分も受け入れ、譲歩したり、ぶつかったりしながらも、齢を重ねていく、
そんな良い夫婦の生き様が見られるようで、読んでいるとほのぼのしちゃいます(*^.^*)。

山口晃氏の、画集も見たけど、もともと大作が多く、その上、細部まで描き込んであるので、
画集の大きさだと物足りない。
やっぱり一度は生でみたいな~と改めて思った。
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